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映画の中にいるような。

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 まるで私をまっすぐに見ているようで、彼は全く見ていない。
 深夜のコンビニ散歩も、深夜の煙草も、深夜の映画鑑賞も、彼はずっと私の隣にいた。
 隣にいても、正面から私を見てくれなかった。
 隣にいても、一定の距離が私達を邪魔した。
 分かってる。彼はそれ以上の関係を望んでいない。
 彼が望んでいるのは、私じゃない。
 映画の中にいるような程よい酔い。
 私は、その為の小道具に過ぎないんだ。

夜の街へ、作品のネタを集めに行く為の費用に出来ればと思います。