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インドで人生変わらなかった

今日も布団から出るのに15分かかった。
夕方に流れるニュースでは、面長で珍しい苗字のお兄さんが今日もにこやかに笑っている。

インドに行く前も、そうだった。

28日間のインドから戻ると「人生変わりました?」と質問してくる人が沢山現れた。無論、彼らも冗談半分なのだろうが、あまりに依然と代わり映えのない毎日を送っていることにどこか申し訳無さすら覚える。

何も変わらないので、またハウスジャワカレーでカレーを作る。インドカレーより美味い。もうバスマティライスもチャパティも当分食べないだろう。そういえば、最近ケンタッキーに行ったがタンドリーチキンより遥かに美味しく感じた。

先日、知人が近所でスパイスカレー屋を開いたので立ち寄った。正直インドで食べたカレーの五億倍、美味しかった。そのせいか

「彼ならインドをもっと満喫できたのかもしれないな」

と少し卑屈になった。

何となく気づいているが卑屈な奴の人生はなかなかに変わらない。人生が変わる奴、もしくは変えられる奴は基本ポジティブである。

「楽しもうとすれば楽しめるよ」

と言った人が居た。やけに胸に刺さった。

そういえば、インド人も同じようなことを言っていた。

「人生は一度きりなんだから、楽しまなきゃ」

人生は変わらなかったけど、あの人の発言が胸に刺さるようになったのは変化といえば変化と言えるかもしれない。

人生が一度きりなんてことは言葉理解できていても、正直まだ実感はない。ただ、詰まる思いがしたということは私の中でもそんな気持ちが疼いているのかもしれない。

疼きなど、心地よくはない。
ただそこが人生の変わり目だとしたら、そのままにしておこうと思う。

「インドで人生が変わったんです」と言えその日まで。


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