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哲学者が大学生に勧めた本

昔作ったブックリストと推薦コメントを、メンバーシップ用に公開しますね。

こちらのイベント(大学生協主宰)で作ったものです。

哲学にちらっと興味はあるけれども、本格的に入門するとは限らないし、たぶんそうはしないだろう学部生向けに、「物語を解釈することを通して、何かを突き詰めて考える」ことを勧めるようなトークをしました。

それに合わせて、選書やコメントも物語が多めになっています。



①クリス・ベイル『ソーシャルディア・プリズム』

2022年に読んだ、最も面白かった本。分断を超えるために、自分の納得できない人の言葉に触れないと! 反対意見を持つ人と議論しないと!などと思っている人は、この本を読むべし。事はそんなにインスタントに片づかず、分断は泥臭く乗り越えるしかないことがわかります。必読。


②藤本タツキ『ルックバック』

小さい頃から絵を描いていた人が、物語制作に没頭していくところから話は始まります。全編を通じてスマホが出てこず、創作に没頭する姿は個室や後ろ姿で描かれ、コミュニケーションが言葉抜きで描かれており、「沈黙」が印象深い。スマホやPCで饒舌に話し、賑やかにコミュニケーションをする現代に、沈黙の意味を考えるきっかけに。

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