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これを読むと、会社で働く気が一気になくなる名作:マンガ『資本論』の衝撃

すごいマンガ本を見つけてしまいました!

それが『資本論』。
いままで古典作品をマンガ化したものは
大したことがないと思っていました。

しかし、本書のマンガ化を担当した
岩下博美さんの作品は別格。

岩下さんの描いた
罪と罰』を読んで驚かされました。

長編で難解な「罪と罰」を見事にマンガ化。

短くまとめているにもかかわらず、
主人公の葛藤、罪の受容、新たな希望と、
重要なエッセンスがちりばめられていました。

そして今回の『資本論』もやられました!

原作のエッセンスをしっかりと残しながら、
わかりやすくストーリー仕立てで
マンガ化されています。

まさに、
学習マンガの概念を覆すような作品で
資本論の入門にオススメです!


資本主義のしくみ(搾取の構造)

このマンガでは、資本主義の本質である
「搾取」について詳しく解説されています。

とくに、労働力の商品化という考え方について、
目からウロコが落ちるような説明がありました。

パンのような普通の商品は
買い手がたくさんいます。

でも、労働力という商品は
買い手(資本家)の数は限られています。

それにより、労働者の給料を決めるのは
資本家ということになります。

資本家は、
労働者の給料をギリギリまで減らすことで、
最大の利益を得ることができます

これが、格差社会や派遣切り、
過労死などの問題につながっているんですね。

資本家は神に等しい

物語の後半、
資本主義社会における「資本家」の
存在について考えさせられます。

資本家は、会社という怪物の生き血を
吸い続けている黒幕として描かれています。
(王族、貴族、教会も)

資本主義とは
奴隷制がかたちを変えたもの。

そもそも人間自体に価値はありません。

しかし、労働と引き換えに
お金をあたえられることで、
労働者として価値のある存在に
生まれ変わることができます。

つまり資本主義社会において、
資本家こそが、人に価値を与える存在、
すなわち神にあたります。

この考え方は、資本主義社会における
人間の価値観を根本から揺さぶります。

愚民こそが真犯人

衝撃的なのは、この資本主義を支えているのは
じつは「愚民」たちだという考え方です。

主人公のロイは
「いつの時代も愚民どもがバカで間抜けだから
お前ら支配者が偉そうにできるだけだ...
お前らが賢いわけじゃない...
うぬぼれるな」
と語ります。

勉強し続けなければ、
搾取されつづける側に回ってしまう。

そんな
メッセージが込められているように感じました。

まとめ

本書『資本論』は、絵とストーリーが秀逸で、
会社で働くことの意味について
深く考えさせてくれる作品です。

会社勤めをしている
すべての人に読んでほしい一冊。

『資本論』の内容をわかりやすく解説してあり、
難しい経済用語に苦手意識がある人でも大丈夫。

いままで「資本論」がなぜ共産主義革命の
きっかけになったのか
ピンと来ていませんでした。

しかしこのマンガを読むと
「こりゃ革命がおきるわな」と納得。

資本主義社会の矛盾に気づき、
もっと勉強しなきゃと感じました。

本書を読むと会社で働くことに対する気持ちが
少し変わってしまったかもしれません。
(会社で働く気が一気に失せますw)

ぜひ、皆さんもこのマンガを読んで、
資本主義社会について
考えてみてはいかがでしょうか。

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