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「斬首の森」(著/澤村伊智)読書感想文

4月24日発売の澤村伊智さんの最新刊。発売日に買いに行き、25日にようやく読み終えました。読みたてホヤホヤの感想文を書きたいと思います。

〈「斬首の森」あらすじ〉
鬱蒼と暗い森の中に立つ合宿所。ある団体の〝レクチャー〟を受け洗脳されかけていたわたしは、火事により脱出する。男女五人で町へ逃げ出そうとするが、不可解な森の中で迷ってしまう。翌朝、五人のうちのひとりの切断された頭部が発見される。頭部は、奇怪な装飾を施された古木の根元に、供物のように置かれていて——。

この〈あらすじ〉だけで、ゾクゾクわくわくしませんか?
合宿所とは? レクチャーとは? 不可解な森とは?
なぜ頭部だけが?
その疑問と謎を抱えたまま、とりあえず表紙を眺める。まず表紙が素敵。怖くて、カッコいい!
それだけでテンションが上がりましたし、飾ってもカッコいいなぁと惚れましたね。血の色を思わせる赤が全面に出ている表紙。インパクト抜群です。

本作はプロローグから始まりますが、誰目線か時系列が分からないまま、とりあえず読み進めていきました。澤村さんの作品は視点移動や、物語の構成が素晴らしいんです。本作もそれが生かされている。物語をわざと断片的に進めることで、読者の好奇心を惹き寄せるんです。どうなってるの? どうなるの? と先が読みたくなる。だから、次から次へとページを捲ってしまう。そんなノンストップホラーミステリーがお得意なんです。

わたしと共に森を彷徨い、争いながらも協力し合っていく仲間。しかし、一人の首の切断死体を機に、仲間たちの首が次から次へと転がっていく。怪しく真っ暗な森。首が供えられていた奇妙な古木。森で目撃した奇妙なモノは一体?
読者の私も、恐ろしい森の中を一緒に彷徨っているかのような感覚に襲われる。迫り来る恐怖を体感できます。
合宿所でのレクチャーを行っていた怪しい団体の謎。首が斬られる森の謎。仲間の本当の姿。様々な謎が後半で、見事に明かされていきます。
そして、予想だにしない衝撃のラスト——。
ようやく分かる冒頭のプロローグの意味。
全ての謎が解けた時のスッキリ感は、今までの澤村さんの作品の中で一番です!
こんなに深くて恐ろしいストーリーを書いてしまう澤村さん。いや、書けてしまう彼は、やっぱりホラーの天才です!
ますます、澤村さんのファンになりました。

「斬首の森」。叫びたくなるほど恐ろしく、最高に面白かったです。もう、ただただ、面白い。澤村さん最高。こんなに五感を刺激される作品、今までになかったかも。
ラストまで読む手が止まらない、ノンストップのホラーミステリーでした。新感覚ホラーをお探しの方におススメの一冊です。

やっぱり、澤村伊智さんは憧れのホラー作家さんですね。いつか私も、こんなに構成力の高い作品を書いてみたい。そして、読む手が止まらないほどの、面白くて恐ろしいホラーを書いてみたいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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