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【Web Design Talk】スターバックスのアイデンティティを体現するフォント「Sodo Sans」

こんにちは、How many designs です。
Web Design Talk というタイトルで、デザインに関するお話を少しだけ書いていこうと思います。気軽に読んでいただければ幸いです。


「Sodo Sans」はスターバックスのアイデンティティそのもの

Sodo Sans

スターバックスのロゴや店内装飾、商品パッケージなど、様々な場所で目にする洗練されたフォント「Sodo Sans」。スターバックスのデザインチームとアメリカ合衆国ユタ州にある書体制作会社、Lettermatic社との共同作業によって生まれましたようです。

ロブ・スタントンはスターバックスのアソシエイト クリエイティブ ディレクターで、スターバックス クリエイティブ スタジオでデジタル マーケティングに携わっていました。彼はブランド、ウェブサイト、モバイル アプリケーションで使用されているさまざまな書体を調べ、カスタム書体の可能性について同僚に尋ね始めました。そのうちの 1 人が私のことを覚えていて、ロブから電話をもらい、数年に及ぶ設計プロセスが始まりました。

https://lettermatic.com/custom/starbucks

シアトルの街から生まれた名前

「Sodo」という名前は、スターバックスの本社があるシアトルの地区「SoDo」に由来しています。活気あふれる港湾地区のイメージと、スターバックスの革新的な精神を融合させたネーミングです。

ちなみに、Sodoというエリアの名前は South of Downtown に由来しています。巨大なブルワリーレストラン、アートギャラリーや倉庫型ショップなどを中心とした活気のある商業エリアです。

温かみと力強さを兼ね備えたデザイン

Sodo Sansは、モダンなサンセリフ書体でありながら、温かみと力強さを兼ね備えた独特な雰囲気を持っています。特徴的なのは、円みを帯びた曲線と太字のウェイトです。これは、親しみやすさと安定感を表現するだけでなく、様々なメディアで読みやすくするために設計されています。

スターバックスのブランド体験を支える重要な要素

Sodo Sansは、単なる書体ではなく、スターバックスのブランド体験を支える重要な要素です。その温かみのあるデザインは、お客様に安心感を与え、親しみやすさを表現しています。また、力強さのあるデザインは、スターバックスの革新的な精神と高い品質を象徴しています。

フォントを見ただけでスターバックスらしさを感じます。ブランディングデザインの視点で見ると最も良い事例だと言えます。

Sodo Sansは、スターバックスのブランドイメージを統一し、メッセージを効果的に伝える役割を担っています。

Sodo Sansがこれほどにアイデンティティを持つのはなぜでしょうか? 。

フォントデザインがユニーク

Sodo Sansがこれほどにアイデンティティを持つのはなぜでしょうか? 一つは、フォントデザインがシンプルなようでありながらも特徴的だからです。

書体のデザインは読みやすさに影響を与えます。デザインを選ぶ際には、読みやすさだけでなく、全体のバランスや意図を考慮することが重要ですが、アイデンティティと読みやすさのバランスが書体デザインの醍醐味でもあります。

Sodo Sansの特徴的な文字をいくつか紹介します。

1. 左右対称の「U」
欧文書体において、「U」は左右非対称であることが多いですが、Sodo Sansでは珍しい左右対称のデザインを採用しています。見た目は整っていますが、読みやすさという観点では、非対称の方が自然な印象を与えるかもしれません。

2. 2階建ての「g」
小文字の「g」は、通常1つの階で構成されていますが、この書体では2階建てのデザインを採用しています。これは読みやすさを向上させる意図と考えられますが、デザインの難易度は高くなります。

3. 大文字「Q」のヒゲ
大文字「Q」の円の下には、通常ヒゲと呼ばれる縦棒が突き出ています。しかし、この書体ではヒゲが円に突き抜けていない点が特徴です。これはデザイン上のこだわりかもしれませんが、識別性を損なう可能性があります。

4. 丸みを帯びた「OCD」
「O」「C」「D」などの円形を含む文字が、全体的に丸みを帯びている点が特徴です。頻繁に使用されるこれらの文字が丸みを帯びると、文章全体の印象が柔らかくなります。

Sodo Sans の特徴的な文字

一貫性と継続という積み重ね

Sodo Sansは、スターバックスのさまざまな場面で使われています。この一貫性により、ブランドの認知度が向上し、ブランディングとしての役割を果たします。さらに、Sodo Sans自体が長期間使用されることに耐えるデザインの強さを示しています。

具体的には、ロゴ、店内装飾、商品パッケージ、ウェブサイト、アプリ、印刷物、広告など、様々な場所でSodo Sansが使われ、スターバックスのブランドイメージを統一し、メッセージを効果的に伝える役割を果たしています。

まとめ

Sodo Sansは、スターバックスのアイデンティティを体現する書体です。その洗練されたデザインは、スターバックスのブランドイメージを世界中に発信しています。
そして、ブランディングを成功させるためには、強度のあるデザインと、そのデザインを信じて一貫して使い続けることが重要だと思われます。

スターバックスでは Creative Expression というデザインシステムを公開しています。フォント以外に配色やビジュアルについても掲載されています。私のnoteでも紹介していますので、ご参考いただければ嬉しいです。


ハンズオン

Sodo Sansに似た書体をGoogle Fontで探してみました。完全に同じフォントは存在しませんが、これらのフォントの特徴を比較することで、どのような視点でフォントのデザインを見れば良いか参考になると思います。

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