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今の会社で満足してますか?御恩と奉公、鎌倉幕府が創った封建制度から考えてみる

皆さんは昔、社会科で習った封建制度を覚えていますか?
封建制度は『いいクニ(1192年)作ろう鎌倉幕府』でお馴染みの源頼朝公が定めた、武士の掟なるものです。


封建制度を1分で思い出そう

 鎌倉幕府の前は貴族中心の平安時代、武士たちは都合よく働かせられる朝廷にうんざり。また朝廷には平清盛という権力者がはびこり、逆らうと殺られる始末。

 そんな武士たちのイライラが募る中、源頼朝がリーダーとなって立ち上がり、弟の義経の活躍もあって、平氏を滅亡させた頼朝が鎌倉に幕府を開き、武士が政治を行う武家政権を生み出しました。

 その際主従関係を持って統治するため、御恩と奉公という明快な制度で、主となる者は従者に恩賞を与え、従者は主に働いて恩を返すwin-winの形を創り出したのが封建制度というわけです。


御恩と奉公の理想と勤務先のギャップについて考えてみる

 お気付きの通り、今のサラリーマンも御恩と奉公という明快なルールの元に成り立っているわけなのですが、御恩と奉公の本来の理想と今勤めている会社がどうか考えてみましょう。

【御恩と奉公の理想】
朝廷の都合よい労働にうんざり、真のリーダーの元、やりがいを持って労働したい

幕府:良い働きをした者には土地を保証する(本領安堵)、または新しい土地を与える(新恩給与)
御家人:幕府に忠義をもって一所懸命に労働する

【会社とサラリーマンの理想】
会社:会社に貢献した者には給与や福利厚生を与える、または役職や決裁権を与える
サラリーマン:1つ1つの仕事にモチベーションをもって一所懸命に労働する

鎌倉時代も今も、主従関係は50:50のパワーバランスに成り立たなければ、良い仕事、強いては社会貢献ができないというわけです。



封建制度で招いた問題点

ここで歴史が語る主従関係制度で起こった2つの問題点をピックアップし、考えてみましょう。

【功労者、義経との確執】
 封建制度において最も大事なのが、何度もお伝えしている主従関係です。源義経といえば、頼朝の10歳以上離れた弟で源平合戦で圧倒的な強さを誇った軍神です。

 その神がかり的な強さが噂となり、やがては人気者となった義経は、後白河天皇から直接恩賞をいただくことに。
しかしリーダーは頼朝。本来は頼朝に報連相すべきところを、義経はこの件含めて、度々単独行動をとり勝手に決めてしまいました。

 平氏が滅亡した後、後白河天皇が源氏の力を削ぐため、頼朝と義経の仲を割くための謀略もあり、結果戦うことになってしまい義経は負け、自害することになりました。
この時頼朝は、義経が逃亡した恐れも考えて、全国に頼朝の信頼できる御家人を配置(守護・地頭)しました。

 威厳や規律を重んじた頼朝と、直感的で天才的な仕事人の義経は、同じ組織下では相容れることができなかったという、悲しい事例でした。


【元寇で崩壊した封建制度】
 教科書でも習った元寇襲来。フビライ=ハーン率いるモンゴル帝国が日本に攻めかけてきたアレです。
最終的には神風が巻き起こり、モンゴル軍の船が一瞬で難破し終わったとされる戦いですが、それまでは日本が超劣勢でした。

 一所懸命にモンゴル軍と戦い多くの犠牲を払った各地の御家人たちは、自分たちの働きに対する恩賞を幕府へもちろん求めました。
しかし戦った相手は船で攻めてきたモンゴル軍。勝っても得られた土地がないため、恩賞を与えられずに終わってしまいます。

 となると御家人たちは「何のために命を顧みず戦ったのだ?」と不満続出。困窮していき次第には後醍醐天皇が決起し、天皇中心の政治体制に戻すデモを敢行、やがて各地の御家人たちも立ち上がり鎌倉幕府は崩壊したという流れなわけです。


2つの問題点から考えること

 義経の例でいえば、勝手気ままな天才的な仕事人に対して組織がどのように応対し、対処するのかが問われます。
頼朝は実弟ながらに規律を重んじ、自害という厳罰に処するという点では、親族経営の馴れ合い・ぬるま湯は見習うべき例かもしれません。

 元寇襲来では、資産が増えず結果恩賞を与えられなかったという点は、現在のコロナ禍に共通する点であります。
コロナウイルス襲来で、売上が下がり様々な打ち手を考え実行する企業は少なくありません。

 しかし業務過多になり、結果現場のリソースが困窮し、社員のモチベーションまで低下してしまい売上も見込めなかったというケースは多々あると思います。
経営層は、思い付きでなく本当に売上が見込めそうな戦略なのか、今やることなのか、社員はモチベーション高く取り組めそうな仕組みか?をしっかり考えて実行するようにしましょう。


まとめると、主従関係は常に50:50であることが必要

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現代社会において、上層部は利益しか見ていないくせに、雑用は振るわ、給与に反映されないわ、やってらんねーという人はごまんといるんじゃないでしょうか。

経営者は今一度この封建制度の本質が、自分の会社で成り立っているのかを考えましょう。

労働者はモチベーションを持って働き、組織に忠義を示した上で、改善されなさそうであれば、義経のように自害を迫られることはない世の中ですから、袂を分ち転職する選択をしましょう。

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