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【医師解説】心臓突然死が起こりやすいスポーツは?

若者でも心臓の病気による突然死のリスクがあります。年間には約6〜8万人もの人々が心臓の問題で亡くなっています。特に18歳以下の若い世代では、そのうちの約40%がスポーツに関連していると言われています。

突然死の原因

スポーツ中の心臓の突然死は、特にサッカーなどの激しい運動をする時に多く起こります。これは、運動の強度が高いことが主な原因であり、体操や陸上競技、水泳などの他のスポーツと比べて明らかな差があります。年齢が上がるほど心臓の突然死のリスクも高まります。

若者の突然死の原因は、先天性の心臓の病気や遺伝的なリズムの異常などが主な要因です。

イタリアでは、競技前のメディカルチェックを導入した結果、アスリートの突然死が25年間で90%減少したと報告されています。現在、国内では特定の基準に基づいた心血管疾患のメディカルチェックが行われています。

このメディカルチェックでは、アスリートの自覚症状や経過、家族歴、身体の所見など、心血管疾患に関連する14項目が確認されます。さらに、血液検査、尿検査、レントゲン、心電図(毎年)、心臓超音波検査(5年ごと)も行われます。

もし問題が見つかった場合は、スポーツドクターが確認し、必要に応じて追加の診察や検査(心臓CTなど)が行われます。これにより、適切な対応がなされるのです。

一方、心臓突然死のリスク要因の1つに心臓震盪があります。競技中にボールや他の選手との接触が多いスポーツでは、心臓震盪が起こりやすくなります。特に硬式野球、空手、フットサル、ソフトボール、ホッケーなどでリスクが高いです。

心臓震盪による突然死は、心室細動が起こることが原因です。しかし、すぐに自動体外式除細動器(AED)を使うことで、生存率を上げることができます。AEDは非常に重要な救命器具です。

対策

スポーツ中の心臓の突然死を減らすためには、いくつかの対策があります。

  1. 健康診断を受ける: 定期的な健康診断を受けることで、心臓の問題やリスク要因を早期に発見できます。

  2. 適切なトレーニングと休息: 運動前にウォーミングアップを行い、トレーニングの強度を徐々に上げることが大切です。過度な運動は心臓に負担をかける可能性があるので、適度な休息も必要です。

  3. 心肺蘇生法(CPR)の知識: 心肺蘇生法(CPR)の基本的な知識を持っていると、緊急時に適切な応急処置ができます。

  4. 自動体外式除細動器(AED)の設置: スポーツ施設や公共の場所には、自動体外式除細動器(AED)が設置されていることが望ましいです。AEDは心室細動時に使用され、心臓のリズムを回復させます。

  5. 症状に注意する: 運動中に胸痛や息切れ、めまい、意識の喪失などの症状が現れた場合は、医療機関を受診しましょう。これらは心臓の異常を示す可能性があります。

まとめ

スポーツを楽しむ人々は、心臓の突然死のリスクについて知識を持ち、予防策を取ることが大切です。健康診断や適切なトレーニング、心肺蘇生法(CPR)や自動体外式除細動器(AED)の知識を持つことが、心臓の健康を守るために役立ちます。

参考サイト


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