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DX戦記~経営者がIT音痴を克服するには

ITを活用するには様々な要素がありますが、まずもって経営者がIT音痴を克服しなければなりません。経営者の意思決定がIT抜きで行われていると、国外企業に相対的優位性を取られ、それを取り返すために、現場をブラック労働に陥れていることも気づかないままという、経営の失敗の見本のような状態になります。

はてさて、これをどうやれば克服できるのか、考えてみましょう。

IT音痴の経営者とは「圧倒的にITリテラシーが低いまま意思決定する地位になってしまった人々」

まず、IT音痴の経営者とは何か、という事ですが、ITリテラシーの低い経営者の事えす。ITリテラシーは、情報技術(IT)を活用する能力のことです。残念ながら、多くの組織ではITリテラシーが低いまま意思決定する地位になって偉くしまった人々が多々存在します。

情報技術を知らないということは、業務の動きをつかさどる手法が古臭いままということです。つまり、現代のビジネスにおいて必要なスピードや柔軟性が欠けているということです。

ITリテラシーが低いまま意思決定する地位になってしまった人々は、ITを活用することで得られるメリットを理解できず、自分たちの業務や組織に合ったITの導入や活用を進めることができず、組織は相対的優位性をどんどん失っていきます。

SNSが使えてもダメ。ユーザーとして使うIT、業務で使うITは違う。

ITリテラシーが低いまま意思決定する地位になってしまった人々の多くは、ユーザーとして使うITと、業務で使うITの違いが分かっていません。

ユーザーの使うITとは、使い方があらかじめ設計されていますので、操作さえ覚えれば使いこなし、そのサービスのメリットを得ることができます。

一方、業務の中のITとは、使い方を自分で設計する必要があります。今の業務、明日の業務をどう処理するかを決め、成果とプロセスを決定し、実装する必要があります。

ユーザーとして使うITと、業務で使うITの違いが分からない経営者がいる現場は悲惨です。経営者が、業務をどうしたらよいか分からない、どうしたいかも描けない状態です。兵站を無視した戦線の拡大と維持を指揮しているようなものです。

解決策

どうすれば、ITリテラシーが低いまま意思決定する地位になってしまった人々は、ITを活用できるようになるのか?

これがまた難しい。正直、能力不足なのだから、さっさと引退するのが最適解なのですが、日本企業は社内政治や忖度が重視されますので、そうはいかないようです。なので、自愛に満ちたIT介護の心をもって、やる気を出してもらうしかありません。

で、考えたのが以下のステップです。

  1. まず、タワーディフェンスゲームをやってみる

  2. 次にRPAでもマクロでもよいので、小さな自動化にチャレンジ

  3. 最後にアーキテクチャを知る

解説します。

1.まず、タワーディフェンスゲームをやってみる。

タワーディフェンスゲームとは、敵の侵攻から拠点を守るために、様々な自律ユニットを配置して防衛するゲームのことです。

このゲームは、ITの基本的な考え方や思考法を身につけるのに役立ちます。

なぜなら、ユニットの種類や配置やアップグレードなどを考えることで、複雑なITサービスの単体能力、ユニットとユニット連携による効果、全体の効率性を理解することに役に立つ思考が身に付きます。

2.RPAでもマクロでもよいので小さな自動化にチャレンジ

自動化とは、人間の手を介さずに、コンピュータやソフトウェアなどが業務を実行することです。

ちょっと事務処理をしている現場に紛れ込んで、空気を読まずに面倒くさそうな作業の自動化にチャレンジしてみましょう。

下手すると、十数行のコードを書くだけで数人月分の作業が消え去ったりします。

この自動化のチャレンジ、おおむね以下の事を学べます。

  • 業務の流れを明確化、定義することの意義

  • テストをしつつ、改良を重ねていくという手法

  • ちょっとした事でもセキュリティが重要であること

  • ちょっとした情報システムでも、効果は大であるという実感

この段階で、業務で使うITが如何に設計と実装に左右されるか、つまりユーザーの使うITと全く違うという事が理解できます。

3.最後に、アーキテクチャを知る

アーキテクチャとは、ITの構成や構造や設計や規約などのことです。

ここは、慎重に学ぶ必要があります。以前の記事にも書きましたが、海外の大手IT屋さんの無料営業セミナーを見ることが大切です。

日本のベンダーは、未だ労働集約型の人工ビジネス依存や、雇用者が多すぎたりという弱点を抱えたところが多く、ユーザーに売る情報システムのアーキテクチャーが古かったり、拡張性や自由度が全くなかったりすることがあるので、注意が必要です。

アーキテクチャを知ることで、業務の中のITの特性や制約やリスクなどを理解することができると同時に、ベンダーの選び方も身に付きます。

ここまでくると、提案してもらったITシステムに対して、ふと自分で新しいアーキテクチャのサービスを調べたりして、何気に500分の1くらいのコストに収まり、納期も60分の1以下になるような事が生じたりします。

ここまでわかる経営者になれば、もうIT音痴ではありません。おめでとうございます。

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