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人事が本気で考える面接対策:HR Climbers流(無料の面接対策シート付き)

こんにちは。HR Climbersです。
HR Climbersをリリースしてからもう少しで1年を迎えます。
人事の経験はあれど、人材紹介という事業の経験がない中で、たくさんの方からご支援を頂き、色々と学びながら成長させて頂く事ができました。
最近はこれまでの活動の中でお会いした方々から感謝のお言葉や、新しいご紹介を頂く事も増え、日々これまでの活動で出会えた方々に感謝しながら気を引き締めて頑張っております。

今日は転職活動をする上でとても重要な「面接対策」について書いていきたいと思います。

※ 本記事は6000文字と長文です。お時間がない方やサマって理解したい方は最後のまとめ部分だけお読みください。


HR Climbersが定義する面接対策とは?

我々HR Climbersでは面接対策とは、「転職活動者の方が面接の前に事前調査・整理・準備などを行う事で、自分の想いや価値観、実績等を正しく企業側(選考官)に伝えられるように準備をする事」だと思っています。

(※こちらはHR Climbersでの定義なので一般の定義と異なる場合もございます。)

ポイントは、選考に受かる事だけを目的にするのではなく、「自分の想いや価値観、実績を正しい形式で先方へお伝えし、自分をアピールをする準備」だという事です。

「面接」という場は、企業側が候補者を見極める場。と捉えられる事がありますが、一方で候補者側が企業を見極める場でもあります。
企業の魅力を感じてエントリーはしたものの、選考を通じてより深く理解した上で最終的に合わない。という判断は候補者側からも当然可能です。

選考通過だけにフォーカスした面接対策は、選考は通過するかもしれませんが、本当の意味で自分と企業のマッチングを図る事はできておらず、例え選考に通過しても、しこりが残ってしまい結果入社後に悶々とする事になる可能性もあります。

改めて面接対策で意識をして頂きたい事は、自分のこれまでの成果やキャリア、思考を整理して、相手が理解しやすいように準備をしておく事になります。

HR Climbers流:面接対策の3要素

それでは、具体的に面接対策ではどのような事を準備しておくと良いのでしょうか。以下にHR Climbers流の面接対策の仕方を整理してみました。
面接対策として重要なのは以下3つだと思っています。

  1. 自分を理解する。

  2. 企業を理解する。

  3. 自分と企業の繋がりを見つける

それぞれ順に説明できればと思います。

1. 自分を理解する。

面接対策というと、まずは企業の事を調べて、質問を準備して。と先に企業の事を調べようとする方が多いのではないでしょうか。

我々はその前にまず「自分を理解する」という事に時間をかけて欲しいなと思っています。
前途した通り、面接対策の目的は「自分の事を正しく整理し、相手に伝わりやすいようにアピールする事」です。との為には当然自分の事を知らないと伝える事はできないですよね。
まずは企業ではなく自分の事を深く理解するところから始めましょう。


▼具体的な対策内容と観点
①転職の理由と今回の転職で叶えたい事の整理
②なぜ当該企業へエントリーをしたのか
③これまでの仕事で成果を上げた経験のエピソード整理と再現性の確認
④自分が大事にしている仕事の価値観


まずは上記を軸に、自分自身へ問いを投げかけて思考を整理しましょう。
①②の二つについては、ポイントとして、点ではなく線で考える事かなと思います。
多くの企業はキャリアの一貫性や繋がりを重要視しており、転職が目的になっていない。自身を客観視して適切なキャリアパスを描けている。という事を伝える事が重要になります。

その為に、「今なぜ転職をするのか?」という点での整理ではなくて、その前後にあるストーリー(キャリアパス)を踏まえて、どんなキャリアを考えているか。その上でなぜ今の会社にいるのか。そしてなぜこのタイミングで転職するのか。次はどうなろうとしているか。という「線」で考える事で、納得感のあるキャリアビジョンや軸を伝える事ができると思います。

③については、これまでの仕事の成果にフォーカスしたものです。
企業側がこのスキルチェックとしてとても重要視してるのが「再現性があるか」です。
どんなに多くの成果を上げてきた優秀な方だとしても、仕事は一人で進めるものではなく、多くのステークホルダー(関係者)を巻き込み、企業毎の独自の制限や縛り、または強みがある中で成果を上げられているはずです。
よって、それらの環境因子が変わった際に、自社でも同様に成果を上げていただけるのだろうか。という事が重要になり、その為に見極め観点として強く持つのが再現性になります。

再現性がある。という事をうまく伝える為には、「◯◯という成果を上げた」という事象ではなく、この裏側にある背景やストーリー、具体的になにをしたか。というエピソードをキチンと整理しておく事が重要になります。

どのようにエピソードを整理するとよいかというと「STAR」というフレームワークを使って整理するのがよいと思います。
※STAR面接については以下記事がよくまとまっています。

「Situation :状況」「Task:課題」「Action:行動」「Result:結果」
まずは、これら4つの視点で成果が出た仕事についてのエピソードを整理します。その上で、「自分はなにをしたのか」という事と「なるべく定量的に 表す」を整理しておく事が最も重要です。
例えば、や「スカウト返信率3%の数値を"自分が"課題だと捉えて自らスプレッドシートで分析環境を構築し分析を行い、自らエンジニアの部長を巻き込みスカウト文面の見直しを行う事で、スカウト返信率が10%に向上した」などと、自分がどうのような活動をしてどれくらいの成果を出したのか。という事を整理しておく事がとても重要です。

当たり前。と言われるかもしれませんが、これが出来ていない方は本当に多い印象です。少し手間はかかるかもしれませんが、今後ずっと使える棚卸しになるので是非しっかり対策頂きたいと思います。

最後の④については、仕事においての価値観を整理頂きたいと思っています。
企業には価値観、バリュー、コンピテンシーなど様々な形で、企業毎のカルチャーが存在します。
具体的な業務スキルの確認とは別で、この自社のカルチャーに候補者の方がマッチするか。という事を企業はとても重視します。

これらを整理する時は、
・仕事においてどんな事を大切にしているか。それはなぜか。
・それらを象徴するエピソードはなにか。
を整理しておくとよいと思います。

これが整理できる事で、企業が求める人物像と自分はマッチしているのか。が明確になる為、しっかりとした対策になります。

2. 企業を理解する。

自分を理解する事ができたら、いよいよ次は企業を理解していきます。

我々のような転職支援のサービスを利用して転職される方の中には、企業と直接やり取りをしていない事もあって、エージェントからの企業説明だけを受けて、自ら調査はせずに面接に望む方もおられますが、これは絶対NGです。
我々エージェントは候補者様の選択肢の幅を広げ、適切な企業をご紹介する事に全力で向き合いますが、それらの企業様の面接を受けるのは候補者者様本人になります。相手の事を知らずに面接に望むのは先方に対しても失礼になるので絶対に避けましょう。


▼具体的な対策内容と観点
①企業ビジョンと事業内容、カルチャーの把握
②選考ポジションに求める役割と期待値の理解


まず、①は想像しやすいと思います。
この時にどれくらい短時間で明確に企業の事を知れるか。が対策としては重要です。だらだらHPなどを見ていても時間だけ経過する事は無駄ですよね。

まずオススメしたいのは企業の採用ピッチ資料を見る事です。
スタートアップなどでは一般化してきており、多くの企業が作成されています。採用ピッチ資料には、会社の事、事業の事、組織/カルチャーの事、そして採用ポジションの事。などが体系的に整理されて記載されており、企業の事を早くしっかりと理解するのに最適です。まずはこれをしっかり熟読しましょう。

採用ピッチ資料を公開してない企業などでは、採用ページがその代替となります。各社同様に会社やカルチャーの事から採用ポジションの事まで詳細に記載している企業様が多いと思います。

また、上場企業を調査する際にはIR資料を見るのもオススメです。
会社決算説明資料などは、これまでどのような事業を行っており、次の戦略はなにか。その為になにに力を入れていくか。組織はどうするか。などが綺麗に記載されています。

他にも当然Googleのネット検索も有効ですし、スタートアップ企業であればSTART UP DBやINITIALなどの企業情報まとめサービスを見ることもオススメです。

理解する観点としては、現在この企業はどのような課題を感じていて、どうするば解決するだろう。という事を頭に描きながら理解すると良いと思います。
企業が求める人材は基本的に、課題解決型人材です。
会社にぶら下がる人間ではなく、共に正解がない答えを探しに行ってくれる仲間を探しています。

次に②ですが、こちらは手元にある募集ポジションの求人票をしっかり読み込む事から始めましょう。
初めてこの求人を見た時と異なり、企業調査などを行った後に再度見返すと、改めてなぜこのポジションが必要なのか。重要なのか。などの募集の背景(コンテクスト)が見えてくると思います。

そうすると自ずと、このポジションへなにを期待しているか。が見えていくるのではないかなと思います。
各企業の採用ページなどかから、応募したポジションの求人ページを見ることも追加の情報が得られる可能性があるのでオススメです。

3. 自分と企業の繋がりを見つける

そして最も重要なのがこのパートです。


▼具体的な対策内容と観点
①志望動機を固める
②一貫性の確認をする。
③面接時の質問設計をする
④(自分のアピールポイントを整理する)


自分と企業、それぞれの強みや魅力を理解したら、最後はその繋がりを意識して、なぜ自分がこの企業にエントリーするのか。志望動機をよりブラッシュアップするようにしましょう。

その際には以下の観点を大切にするといいと思います。
・事業の視点
・キャリア/経験の視点
・ビジョンの視点

志望動機を考えると多くの方が、Takeの視点だけになっているなと感じます。Give&TakeのTakeと理解して頂ければOKですが、Takeの視点というのは、自分が企業から提供される事(経験、役職、給与、働く環境 等)だけを動機にする。という事です。

例えば、「◯◯の会社に入社できれば、採用業務の経験を通じて、□□□□のスキルを得る事ができて、キャリアを前に進める事ができると思いました。また、これからIPOを目指すという事で、スタートアップの圧倒的な事業成長と、そのスピード感を学ぶ事ができると思った為エントリーしました。」

といった志望動機があった際に(実際にはここまで適当なものはないと思いますが)、これはTakeの視点がかなり強いなと思います。

・□□□□の経験を得られる。
・IPOフェーズを経験できる。
・スピード感を学べる
・成長できる。

これ全て、企業から求職者が得られるもの。の視点のみになっており、逆にこれまでの経験からなにをGiveできるか。の視点が一切ありません。
キャリア採用(中途採用)というのは、色々と経験をしてきた中途人材を採用する事になる為、当然企業側も求職者からTakeしたい経験やスキル等が存在します。
これを考慮する事なく、自分の視点だけで考えてしまうとポジティブには映りませんので、しっかりこれまでの経験からなにを提供できるか。という視点を持って整理する事を意識しましょう。

「自分を理解する」「企業を理解する」の2つの整理があるからこそ、より精緻に考えられると思います。
よい志望動機を考えて、面接でしっかりと伝えられるように整理していきましょう。

また、それらを作成する際に重要なのが「②一貫性の確認」になります。
自分を理解し、企業が求める人物像を理解した上で、志望動機や自分の発言に一貫性があるかをしっかり確認するようにしましょう。

キャリア採用において一貫性はその方の特性を理解する重要な要素になりますので、人事も非常に力を入れて見極めてきます。

一貫性を確認する際には、頭で考えるのではなく、テキストで書き出して考えると目視で確認する事ができるのでオススメです。

以下に本記事の対策内容を基にした「HR Climbers - 面接対策シート」のスプレッドシートを無料公開しています。
お気軽にご利用ください。


そして最後が質問設計です。
面接を行うとほぼ確実と言っていいほど、最後に質問はありますか?と聞かれます。
もちろん会話の中で疑問に思った事などを聞いて頂いても問題ありませんが、ここでどのような質問をするかで、どれくらい企業の事を理解しているか。興味を持ってくれてるかを判断したりします。
つまりなるべく勘所のいい質問をする事が重要になります。

質問に正解はありません。
ポイントとなるのが、自分を理解し、企業を理解した上で、仮に自分がこの企業で働くのであれば、双方にとってなにをすり合わせる事が重要か。を質問として準備できるといいかなと思います。
例えば、自分の具体的な役割や期待値を探ったり、企業の3年後の事業や組織図はどうなっているか。人事であれば現状の採用の課題はなにか。など、自分がこの企業で働く上で成果を出す為に聞いておきたい事。を聞くとよいかなと思います。

NG例としては、給料や労働時間などの環境条件の質問をする事です。
もちろんこれら働く上でとても重要です。しかし、これらの質問はとてもセンシティブなので、企業側に「この方は給料にしか興味がないのかな。」「繁忙期になり少しでも残業時間が増えたらNGになるのかな」など不安要素をもたせてしまう可能性も高いです。
ではどうするかというと、これらのセンシティブな質問を聞くために我々エージェントが存在しています。
あなたの代わりになり、これらの質問は内定を受領する前に必ず全てクリアにしますので安心してお任せください。

最後は必須ではありませんが、企業と自分の事を理解した上で、もし私を採用したら企業にとってどんなメリットがあるのか。を説明できるように自分のアピールポイントを書き出しておきましょう。
これがあるとこの企業に入りたい。と思った時にどんなポイントを訴求すればいいのか分かるようになります。
また、この時には「自分を理解する」で整理した実績の再現性も盛り込んで、アピールしましょう。
これを整理して伝えられる人は企業にとってとても良い人材になります。

まとめ

大変長い記事になってしまいました。
読んでくださった方、ありがとうございます。
最後に簡単にまとめられればなと思います。

自分を理解する

・転職の理由と今回の転職で叶えたい事の整理
・なぜ当該企業へエントリーをしたのか
・キャリアの中で成果を上げた経験のエピソード整理と再現性の確認
・自分が大事にしている仕事の価値観

上記の観点で、過去と未来を繋ぎ合わせましょう。過去:今までどのような観点でキャリアを築いてきたか。未来:そして未来どうなっていたいのか。
そして現在:だから今どういう会社を選ぶとよいのか。

これがそのまま志望動機になっていくと思います。
また、これまでの仕事で出した成果をしっかりと定量的に語れるように整理しましょう。ポイントはSTAR(「Situation :状況」「Task:課題」「Action:行動」「Result:結果」)の要素でまとめる事です。

他者ではなく、自分がどのように行動したのか。その時にどんな事を考えていたのか。をまとめる事がポイントです。

企業を理解する

・企業ビジョンと事業内容、カルチャーの把握
・選考ポジションに求める役割と期待値の理解

まずは企業の現状を把握しましょう。その際には採用ピッチ資料を見ることをオススメします。それがなければ採用サイト。また、上場企業であればIR資料などを見て現状の事業がなにをしているのか。今後どんな世界を目指しているのか。を理解します。

その後は、改めて展開されている求人票を確認しましょう。
ダブルチェックとして企業の採用ページから該当の求人を見るのも効果的です。(人事であればどんなポジションの採用を行っているのか、参考にもなります。)
ポイントは当該ポジションに求める期待値を理解する事です。
キャリア採用はあくまで経験者を採用するので、なにかしらの期待値がそこにはあるはずです。

自分と企業の繋がりを見つける

・面接時の質問設計をする
・(自分のアピールポイントを整理する)

自分と企業を理解した上で、面接時の質問設計を行いましょう。
給料や労働時間などの環境面での質問は避け、自分がもしこの企業で働くとなった際に、成果を出すために知っておきたい事。を質問するようにしましょう。
なるべく企業が発信している情報の中にはなく、解像度の高い質問ができるとプラスになるかなと思います。

もし余裕があれば、自分の魅力、アピールポイントも整理しましょう。
意識する事は「再現性」。過去の実績をベースに自分はどんな思考経路で成果を出してきたか。なぜそれがこの企業で出せるのか。を強みとして伝えられるように準備しておきましょう。


長文となってしまいましたが、もっと詳しく知りたい方や、転職を検討されている方は是非一度お問合せ頂けたら幸いです!

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