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そんなに難しい?採用面接でバイアスを取り除く方法

「採用におけるミスマッチが多い」

今も一昔前も3年で3割は離職する…
というのは正しいようでデータでも明らかです。

出展元:厚生労働省

あなたの会社では3年3割を下回っていますか?

新卒採用での離職率の高さは
解消しておきたい問題の一つだと思います。

離職の一つの理由として
「求職者の適正を見極められていない」
というものがあります。

「面接だけではわからないよ」

経験の長い面接官ほど、こう仰いますが、
私からお話しているのは

「個人の主観によるバイアスを抑制する
 訓練をしてみませんか?
 意外と思い込みによって間違った判断で
 採用をしているものですよ。」

と提案をしています。

自分では色眼鏡でものごとを見ていない
と思っていても、本当に無意識のうちに
正しい基準で見ていないものなのです。

前回の記事でも
アンコンシャスバイアスについて
少しだけ触れました。

今回は、この話をもう少し掘り下げて
バイアスを抑制する方法
について解説したいと思います。

これは新卒の面接以外にも
1on1等、個人面談といった
ビジネスですぐ使えるテクニックですので
最後まで読んでいただけると嬉しいです。


1.バイアスとは?


まず、バイアスとは
一般に偏見・思考の偏りという意味の言葉です。

同じ組織の中でも考えは一人ひとり異なります。
育ってきた環境や性格が異なるため、ある意味、
バイアスの発生は避けられないかもしれません。

しかし、人事評価をはじめ、
採用の現場においては、これを最小限に抑え、
公平性を保つことが重要です。

アンコンシャスバイアス
(無意識のバイアス)とはどういうものか?

分かり易い例として以下の動画をご覧ください。
こちらはACジャパンのCMで
あなたも一度は目にしたことがあると思います。

無意識のバイアスを的確に表したCMで
思わずハッとさせられたことでしょう?

多様性が注目される現代の企業では
ジェンダー等の差別に対しては
厳しい目が向けられています。

しかし、採用の現場においては
未だに圧迫面接をしている人や、
面接で法律違反の質問をしている人が
一定数存在するのも事実です。

ただ、こうした悪意に満ちた偏見以外に、
善意でも、無意識のバイアスをもって
正しい評価ができないことが存在します。

これを知っていただきたく、
どのようなバイアスが存在するのか?
5つの代表例を一緒に見ていきましょう。


2.アンコンシャスバイアスの代表例(5つ)

それでは、以下が5つの代表例です。
名称/意味/具体例と続けて記載します。


名称:確証バイアス
意味:自分の偏見や思い込みを強化する情報
   ばかりに意識が集中してしまい、結果
   認識に偏りが出ること。
具体例:
・〇〇大学を出ているから頭が良い
・Z世代はワークライフバランスを気にする


名称:利用可能性ヒューリスティック
意味:経験則で判断してしまうこと。
   決まった法則からではなく、過去の記憶
   に残っている情報で判断しがちになる。
具体例:
・1週間返信がない場合は大半が辞退だから
 もうフォローしなくて良いよ。
・先輩がうまく話しているのを見ているので
 私でも簡単に出来そうだ。


名称:ハロー効果
意味:ある対象を評価する際、わかりやすい
   印象や特徴
に意識が引っぱられて、
   正当な評価ができなくなること。
具体例:
・彼は可愛い顔をしているから
 きっと性格も穏やかにちがいない。
・清潔感のある服装と髪型だから、
 きっと仕事もきちんとしてくれるだろう。


名称:権威バイアス
意味:社会的地位、肩書、専門性など、
   相手の優位性を過大評価すること。
具体例:
・東大理Ⅲの人が応募してくれるなんて…
・あの教授の研究室の生徒なのか!


名称:アインシュテルング効果
意味:時代の変化に適応できず、既存の手法
   に固執
する。他の視点に気づかず、
   無視をしてしまうこと。
具体例:
・面接時に圧力をかけているのは、学生の
 メンタルの強さを見ているから正しい。
・WEBの面接なんて、カメラ越しでは
 雰囲気が感じ取れないから絶対ダメだ!


このような形で判断してしまっている
同僚や上司の方は周りにいませんか?

本人は無意識なので
悪いことにすら気づいていない点が
非常に問題なのです。


3.バイアスは人間に不要なもの?


ここまでの内容を読んでいただいて
あなたはバイアスに対して
すごくネガティブなイメージを抱いた
のではないでしょうか?

何かと悪いもののように扱われがちな
バイアスですが、これは人間に備わった
重要な装置でもあるという側面を
忘れてはいけないと思います。

人間の脳は危険予知と回避に優れ、
もしかすると、これは危ないのでは?
と予測することに長けているのです。

だから、ある程度は不確かなものでも
危険を回避し、生存し続けるために、
脳が念には念を入れて危険を伝えている
と、考えれば分かり易いと思います。

逆に、苦手なものとして
正確に状況を分析したり、計算をしたり
といったような機械が得意とする分野は
非常に苦手としています。

従って、人間の脳は

常にバイアスが掛かった状態であり、
これを完全に排除することはできない。

ということを覚えておいてください。


4.バイアスを抑制する方法


では最後に

この無意識のバイアスを抑制しながら
採用面接で誤った判断をしない方法を
以下に解説します。

答えは非常にシンプルで
以下の3ステップを実行するだけです。

①概念を理解する
②自分にもあることを自覚する
③気を付けるのではなく仕組化する

え?本当にこれだけ?

と思った方もいることでしょうから、
もう少し詳しく解説します。


①概念を理解する


方法は社内研修とかで十分だと思います。
eラーニングよりは対面の方が良いです。
(理由は次に説明します。)

ここでは、上記の概念を知識として
頭で理解するところから始まります。


②自分にもあることを自覚する


この段階ではロープレのような形で
模擬面接をして感想を言い合ってもらい
そこに潜むバイアスの存在を認識してもらう
という方法が非常に効果的です。

私にもバイアスはあったのか…

この気づきこそが一番欲しい成果です。


③気を付けるのではなく仕組化する


この段階で、一番良くないことは
普通の研修なら
「気をつけましょうね」と言って
数日でキレイに忘れてしまうことです。

先ほどの章で説明したように
人間の脳はバイアスを克服することは
苦手だとご説明しました。

分かり易い例にすると、
何かトラブルがあったときに
こんな経験があると思います。

あなたは上司から怒られて、
「今度から気を付けます!」
「朝礼でみんなに周知徹底します!」
と報告書に書いて、実施した後、
同じミスを完全に防げましたか?

防げないですよね?
そうなんです。
再発防止策を行いますよね。

ダブル、トリプル…とチェックが増える
ナンセンスな改善も多いですが、
仕組み自体を変えたような場合は
ミスを克服できた経験がありませんか?

これと同じことを
採用面接の仕組みとして導入するのです。

具体的には、以下の通りです。

・質問内容、評価基準を予め決めておく
・面接時、評価に気を取られない
 (質問と傾聴に集中する)
・個人の判断する余地を最大限減らし、
 面接後、基準に沿って評価する

詳しくは前回の記事をご覧ください。
もう一度リンク先を以下に貼っておきます。
お勧めなので、ぜひ読んでくださいね。


如何だったでしょうか?

今回の記事と前回の記事を
セットでご覧いただくと、
下手なノウハウ本よりも大きな成果を
出せることを保証します。

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