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短歌連作「ハサミの魔法」 7首

駅前に床屋と美容院ならぶ選べるという不自由もある

まりにゃんと呼ばれるひとを呼びにくい文学部棟、浮かびかき消す

早口でいそがしそうだ受話口に吹き込んでくる戦場の風

前置きの「キレイなタオルですので」に光るやさしさちいさく拾う

清新なひかりが満ちる九つの椅子と鏡とハサミの魔法

隣席の女子高生は母親の更年期など笑ってはなす

少しだけ目を閉じますが目覚めたら輪郭を描くように感謝を

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