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国民の分断を招いてしまった東京オリンピックと、それにならってほしくない大阪万博

東京にオリンピック招致が実際に決まったときには東京のみならず日本中が歓喜に沸いたはずですが、今となってはむしろお互いに罵り合って国民が分断してしまっているような気がします。

最初は新国立競技場のデザインで揉め、ロゴマークで揉め、築地市場の移転で揉め、そして最近ではマラソン・競歩の札幌開催で揉めています。

こんなに数多くの揉め事が出てきてしまっては、東京オリンピックで明るい未来を描くどころか、その度ごとにリアルでもネットでも非難しあい、揚げ足取りや人格攻撃にまで発展してしまって、とてもじゃないですが国民統合の旗印には使えそうにありません。

開催まで一年を切ったところですが無事開催され、運営され、閉会まで持っていけるのか。そしてオリンピック後にはパラリンピックもあります。さらに残された施設をレガシーとしてどのように次世代に残していくのか。選手村や豊洲市場だけではなく、国立競技場にも問題があることは以前のnoteにも書きました。

2020年の東京オリンピックが終われば次は2025年の大阪万博が控えています。1964年の東京オリンピックの後、1970年に大阪万博が行われたのと奇しくも似ていますが、この辺は東京都と大阪府・市だけではなくて政府や中央官庁の関与も大きいのでしょうね。

それはともかく、ここまで何度も揉めてきた東京オリンピックを見ていると、大阪万博も色々と揉め事が出てきてしまうのではないかと危惧してしまいます。

万博会場はもともと大阪市としてもオリンピック招致失敗で持て余していた夢洲ですので、その辺は処理法が見つかった!と喜んで良いことかもしれません。その後の利用としても現在検討中のIRカジノ構想が決定すれば引き続き使い道として困ることは無さそうです。

むしろ交通アクセスの方が問題です。夢洲は陸の孤島どころか大阪湾を埋め立てた土地なのでリアル孤島になりかねない場所です。道路がつながっているだけで電車での移動が出来ず、JR・地下鉄・京阪などの路線の延伸がなければ、バスを大量に準備して梅田や難波や桜島駅、コスモスクエア駅、あるいは伊丹空港や関西空港などとのピストン輸送になってしまいます。当然ながらバスと電車では輸送量に大きな開きがあります。しかもバスは一般道路を通るので渋滞に巻き込まれることもあります。そうなると楽しさよりも辛さが思い出に残る万博体験になりかねません。

開催までの残り時間を考えるとあまり猶予もないと思いますが、未だに決まっていません。跡地としてIRを設置することが決まればそれこそアクセス改善のためにどこかが延伸すると思いますが、間に合うのは中央線プランのみらしいので、大阪府の万博構想にも中央線しか延伸案は書かれていません。

「2025日本万国博覧会」基本構想案 (概要)
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoryu/hakurankai/pdf/001_06_00.pdf

しかしIRの誘致都市が決定するのはもっと先なので、本当に延伸させるなら決まる前に事業開始せざるを得ず、もし誘致に失敗すれば延伸区間をまた持て余してしまうことになります。

そうなるとIRで大阪を外したことや、無謀な中央線延伸になってしまったことでまた東京オリンピックのようにリアルでもネットでも非難合戦に発展してしまうでしょう。

そうならないためにも大阪にとってはIRも万博も地下鉄延伸も上手くいってほしいですが、どうなることやら。

万博招致決定とIR誘致については大阪府(正確には大阪維新の会)と政府(正確には首相官邸)との間で前もって話をつけている出来レースだと思っていますが、もし出来レースでなければそれはそれでヤバそうです。

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