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社内ムーブメントを起こすために大事な10のルール

こんにちは、freeeのグローバルデザインチームでマネージャーをしているHalです。先日、freeeの中で担当外のプロダクトであるfreee人事労務のiOSアプリを英語対応するために社内で草の根活動をした話をブログに書いたんですが、

その活動が全社の総会で、freeeの価値基準の一つである「ムーブメント型チーム」を最も体現しているプロジェクトとして表彰されました。

マイクを持って話している筆者。
表彰されてる私

ムーブメント型チームとは?

ミッションに共感し集まった仲間たちが自律的にアクションを起こす。その熱狂が伝播することで、より良い相乗効果を生み出していく集団である。

https://jobs.freee.co.jp/about-us/culture/

前回のブログの中で「freeeのような規模で、プロダクトのロードマップにない機能を0から企画し、リリースまでやりきるという中々できない経験ができたので、その取り組みについても近々記事を書こうと思います」と宣言したので、ムーブメントを起こすために大事な10個のルールというテーマで記事を書いてみます。

あくまでfreeeの文化の中でうまくいったという話なので、他の組織でうまく行くかは分かりません。参考程度に読んでもらえると嬉しいです。

僕が思う、社内ムーブメントを起こすために大事な10のルール

  • 1. 情熱を持っていることをやる

  • 2. 本業を優先すること

  • 3. やり続けること

  • 4. 発信し続けること

  • 5. 周りを巻き込むこと

  • 6. 相手をリスペクトすること

  • 7. 現場を体感してもらうこと

  • 8. 会社(所属している組織)のミッションにつながること

  • 9. 小さく始めること

  • 10. 持続可能性を考えること

1. 情熱を持っていることをやる

計画されていないことをやるのは基本的に茨の道。周りの賛同を得られなかったり、「良いね!でも今は難しい」と言われたり。あなた1人だけでやり切るというのはほとんど難しいので、誰かの協力が必要。情熱がなければ、周りの方も一緒にやろう!という気持ちになることは多分ない。情熱がなければ、やり続けることは難しい。

僕含め、ムーブメントを起こしているなと感じる人は、これから来る困難や今大変なことを考えることなく自分のやりたい気持ちに従って行動している人が多い気がする。

2. 本業を優先すること

組織の中でムーブメントを起こすためには、継続力と巻き込み力(後述)が大事になってくる。継続してやるためには、周りからあなたの活動をストップされないようにしたい。

そのために、今あなたが任されていることで、期待されている成果を出すこと。そうしないと、あなたの成果が出ていない理由をこの活動に時間を割いているせいにされかねない。(僕が当時成果を出せていたかは分かりませんが、周りから止められなかったから多分大丈夫だと思う…)

また、周りを巻き込んで協力したいと思ってもらえるには、あなたのことを信頼してもらう必要がある。なので、今あなたが周りから期待されている本業を優先することは、結果的に自分が個人的にやりたいと思うことをサポートしてもらうことにつながるはず。

3. やり続けること

自発的な活動が成果につながるまでには時間がかかる。だから、諦めずに継続してやり切ることが大事だと思う。僕らがfreee人事労務iOSアプリの英語化対応をリリースするまでに、企画から1年以上かかっている。進捗がない時もあったが、隔週30分の定例(雑談が9割)を1年以上続けたおかげで、チャンスがあった時にすぐに動くことができた。

やり続けるためには、進捗を求めて無理して動く必要はない。「本業を優先」しつつ、今できる範囲で続けていこう。

4. 発信し続けること

自分たちの活動を発信し続けること。これが僕らがたくさんの人を巻き込んだり、いろんなチャンスを引き寄せることに最も役立ったと思っている。というのも、自発的に発生するムーブメントの始まりは誰もあなたたちの活動を知らない。だから、その分野に詳しい人も、何かを進めていく時にキーマンとなる人も、あなたの活動を知らない。

でも、常にやりたいと発信続けることで、その活動に関心のある人が集まりやすい。僕らは社内の色んなところで多言語対応をやりたいと言い続けた。その結果、前職などで多言語対応をしたことがある人を紹介してくれたり、〇〇さんに話してみると良いよ、と教えてもらったり。

計画にないものを進めるためには、周りの協力が必要不可欠になる。だから、協力してもらえるように常に発信し続けよう。

5. 周りを巻き込むこと

ここまで何度も周りの協力が必要不可欠で、1人でムーブメントは起こせないと言っているが、自ら発信して周りの協力を受け身で待っているだけでは物事は進まない。

あなたの起こしたいムーブメントを進めるために必要だと思える人には全て話しかけに行ってみよう。自分たちが気づいていない視点を得ることができるはずだ。

僕らも多言語対応をリリースするために、担当プロダクトのプロダクトオーナーと話したり、ロードマップを決めたり考えている人、多言語対応の実装に詳しそうなエンジニア、リリースする時に必要なフローに詳しい人、等々数えきれない人と話し、たくさんの気づきを得ることができた。

話していくうちに僕らの活動に協力してくれる人も出てきた。そのときの協力者がいなければ、freee人事労務 iOSアプリの英語対応は今ごろリリースできていなかったかもしれない。

6. 相手をリスペクトすること

冒頭で計画にない活動を進めていく時にさまざまな困難があると伝えたが、その一つが周りの協力を得られないことかもしれない。そんな時、苛立ちを感じるかもしれないがその気持ちは抑えたほうが良い。なぜなら、あなたが協力を依頼している人にも本業があり、やりたいことがあるはずだ。

相手の立場を考え、まずは話を聞いてくれたことに感謝しよう。周りの協力なくして、その活動を進めることはできない。相手へのリスペクトがなければ、協力してくれる可能性がある人々も賛同してくれないだろう。

7. 現場を体感してもらうこと

僕らが多言語対応をリリースする上で避けては通れなかったのがiOSアプリを実装しているエンジニアチームの協力だ。今ではレビューやリリース後の運用などの提案もしてくれた。

モバイルチームのメンバーは、日頃から僕が所属するグローバル開発チームと交流する機会が多い。社内のバスケ部の活動でコミュニケーションをとっていたり、一緒に飲み会を開催したり。

そのおかげで、グローバル開発チームのメンバーが日本語が読めずに苦戦している場面を一緒に見ることができた。その瞬間を共有できていたおかげか、モバイルチームのメンバーは英語対応のレビューにとても協力的で、リリースした時も一緒に喜んでくれた。

8. 会社(所属している組織)のミッションにつながること

あなたがどんなに素晴らしいミッションを掲げてその活動を進めていたとしても、その活動が今の組織のミッションと繋がっていなければ、周りの協力を得ることは難しい。なぜなら、周りの人たちの目標や今取り組んでいる活動のほとんどは、その組織のミッションを達成するために組まれている。

幸い僕がやっていたfreee人事労務アプリの多言語対応は、freeeのミッション・ビジョンと合致していた。

freeeでは「だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム。」をビジョンに掲げ、だれもが自由に自然体で経営できる環境をつくるため「統合型経営プラットフォーム」を開発・提供しています。

言語に関係なく全てのユーザーが利用できる状態を目指し、まずは多くの従業員が利用する「freee人事労務」のアプリケーションから対応を開始しました。

https://corp.freee.co.jp/news/20230517freee_hr.html

9. 小さく始めること

千里の道も一歩から。有志の活動として、進めているなら尚更自分たちが手の届く範囲から進めていくのが大切だ。

僕らの場合はfreee人事労務のモバイルアプリが比較的シンプルな作りになっており、協力してくれそうなエンジニア等がモバイルの開発に強かった、という好条件が揃っていた。

freeeの全てのアプリを多言語対応したいと思っていても、いきなり全ての物事は動かない。まずはできるところから始めよう。

10. 持続可能性を考えること

実は多言語対応する前に新規プロダクトの案も考えていて、外国籍労働者の方にとってペインが確認されることもわかっていた。でも、その新規プロダクトはやらずに、既存プロダクトに注力することにした。

そのきっかけとなったのは、ある新規事業を企画するトップの人からもらったフィードバックだった。

「今回持ってきた案は確かに良いアイデアだと思う。でも、これを作って、その後誰が運用することになると思う?」

「結局単発で作って出すってのは勢いでできるかもしれないけど、新規のプロダクトをきちんと運用していける道筋がないと使い物にならなくなる未来が来るはず。」

「そのとき周りの方は、外国籍の方に向けた対応をやって失敗したんだよねって印象が強くなる。新しいチャレンジもやりづらいはず」

「だから、出したものがちゃんと今後も運用していくかどうかは考えた方が良いと思う。」

結局出すことがゴールではなく、価値を届け続けることがゴールである。そのためには、自分たちが起こそうとしている変化が、その後もちゃんと続いていくかどうかは意識する必要がある。

それは、組織のミッションと合致しており、有志の活動だけで終わらず、ちゃんと継続的に続けていくためのインパクト(ex. 売上)が生み出せるか、もしくは運用コストを著しく下げられるかの観点が大事になる。

おわりに

以上、10個のルールが社内ムーブメントを起こすためには必要だと思う。

これらの10個をあえて1つにまとめると「何か大きな変化を起こしたいと思ってるときは、やり抜く覚悟を持って、周りを動かすこと」だと思う。

ここまで僕を突き動かしたのは、この活動を僕が始める前から多言語対応について1人で進めていたviviさんが居たからだ。

お菓子を持ってテーブルに寄りかかるviviさん
多言語対応開発メンバーに差し入れをするviviさん

彼女は事業企画として働いていて、プロダクト開発の経験など全くない。しかしこの活動をやり続けていて、僕を巻き込んでくれた。

僕がviviさんの活動に参加した直後、新規のプロダクトをゼロから作りたいという気持ちが強く、実を言うと最初の3ヶ月はバラバラに活動していた。それでも彼女は多言語対応を先にやろうと説得してくれた。

僕は彼女から「やり抜く姿勢」と「周りを巻き込むこと」を両立させることの大切さを教わった。

僕の現マネージャーのmagiさんとこの出来事について話したとき、「Halは自分で実装までできたからこれをやり切れたんじゃないか?」と言われた。

確かに、僕が実装までやろうという気持ちになった姿勢が周りを動かしたのかもしれない。

でもそれは、viviさんから「やり抜く覚悟を持って、周りを動かすこと」という姿勢を受け継いだものだったのだと考えている。

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