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「傲慢と善良」とはまさに私のことである。



興奮が覚めないうちに、どうにか文章にして残しておきたいという気持ちになったので、急いで辻村深月さんの「傲慢と善良」を読んだ感想を書こうと思う。



ネタバレになるので、是非このnoteは読んだ後に見てほしい。



色んな意見があると思うが、個人的には今年読んだ小説の中で間違いなく一番良かった。



無意識の内に他人のことを値踏みをしている、自己肯定感は低い一方で実は自己愛が強い、認めたくなかったけれど、主人公の真実は私と一緒だった。



今まで向き合いたくなかった自分の嫌な部分と、これまでか!というほど向き合わせてくる、痛いところをズバズバ刺してくる小説は初めてで、読みたくないけど、読まずにはいられない、そんな小説だった。



私は幼い頃から真面目と言われて育ってきた。



夏休みの宿題は必ず最初に終わらしていたし、どれだけ人通りの少ないところでも信号が赤だったら止まっていた。



そんな真面目な自分のことが好きだし、長所だと思っていた。



むしろ、悪さやズルをする人のことを自分とは違う人だと下に見ていたところもある。



しかし、この小説を読んで、そんな自分のことが恥ずかしく思えた。



もちろん、真面目に生きることが悪いことではないのだが、ずる賢しこく、要領良く生きている人の方が何事にも柔軟で、楽しそうで、羨ましく思った。


読んだ後、しばらく放心状態になり、熱量のすごい本を読んでしまった、、という気持ちになった。


そんな大好きな「傲慢と善良」が、9月に映画化されるらしい。観に行くしか選択肢がない。


リアルな人間関係模様がとにかく面白く、リアルすぎて心臓がヒヤッとなる場面が多かったが、どこまで映像にも取り入れられるのか、とてもとても楽しみである。




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