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あなたが「この人、苦手💦」と感じるのは、親の投影が原因⁉

僕が小学校高学年で父が亡くなったこともあり、うちはその後、母親と兄と僕の3人で暮らしてきた。

兄も僕も家事が好きなのは、家事をするのが日常だったからかもしれない。

母は働きに出て、僕たち兄弟を必死に養ってくれた。

最近、自分のルーツについてよく考えるのだが、僕はかなりのお母さん子である。

父が存命中は「お父さんにお母さんを取られたくない」という独占欲が強く。露骨に「お母さんを取らないで」とアピールしていた。

幼少期の僕は、母親を取られたくないという不安からどこかで父を敵視していた面がある。

成人してからエディプスコンプレックスという言葉を知った。

自分のコミュニケーションスタイルを見ていると、とにかく年上の女性に助けてもらうことが多い。

頼りないので「放っておけない」とサポートしてくれる年長の女性が多いのだ。

反対に、家父長制の頂点にデーンと座って「俺が中心だ」とあぐらをかぐ男性がとても苦手。

そして自己愛の強い、威張るおじさんがとても苦手。

これは父が亡くなったあと、兄が一時期、自己愛化してしまったことも関係しているのだろう。

父がワーカホリックだったこともあるので、あまり一緒に出掛けた記憶がない。

ただし鮮明に覚えていることがひとつある。

僕が小2の頃、小学校の向かいに喫茶店ができた。僕がしきりに「喫茶店でアイスクリームが食べたい」と主張し続けるので、ある日の日曜日に父が「その喫茶店へ行こう」と誘ってくれた。

父と喫茶店でアイスクリームを食べたあと、小学校の校庭へ父と足を運ぶ。

この頃、僕は鉄棒が好きだったので父に落ちないように支えてもらいながら、高い鉄棒にブラブラとぶら下がっていた。

そのあと、父が「よし、幅跳びをするぞ」と張り切りダッシュをし、砂場へ大きくジャンプ。

僕を楽しませようと、走り幅跳びをしてくれた。

普段、運動していなかったからだろう。父はそのあと、しきりに「足首が痛い」とつぶやいていたが、なんとかその場を盛り上げようとしてくれたのが伝わった。

今、僕はあの頃の父と変わらない年齢に差し掛かってわかるのだが、走り幅跳びをしたときの父はかなり体がつらかったのではないだろうか。

父は休みなく働くなど、ストレスフルな日々を送っていた人で、体のケアをまるでしなかった。よく体調を崩していた。

僕が父と過ごせた日々は10年ほど。

思えば仕事に追われながらも体調が優れない中、家族との時間をしっかりと設けていたんだなと感じる。

「あのときの日曜日、父の視点に立ってみると僕はどのように映るのか?」を想像すると、いろいろなことが見えてくる。

父から厳しい教育を受けた兄は、父が亡くなったあと一時期、家庭内で暴君のようになってしまった。それは大好きだった父を喪失した悲しみがそうさせたのかもしれない。

自分の苦手な人間のルーツを探ると、その答えやヒントは家族の中から見つかることがある。

実は人の好き嫌いは、家族との関係が投影された結果のケースが多い。

しかし、こういった心理的作用はほとんど無意識だ。当人はなかなか気づけない。

人間関係のつまづきの原因を知るのに、幼少期の家族との関係を掘り下げるのは有効かもしれない。

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