身を守る鎧が、人を傷つける鋭利な刃物になる現象について

人は生きていく上で、いつの間にか鎧をまとうようになる。

生身の体では傷だらけになるので、とてもやっていけない。

鎧は本来、自分を守るため身につけるものだ。

しかし、この鎧がハリネズミのように誰かを傷つける尖った形状になっている人がいる。

少し当たるだけで、こちらが傷を負うようなとげとげしい形だ。

肌感覚になるが、尖った鎧をつけている人は男性が多い。

日本はまだ「男は男らしくあれ」という価値観が残っている。

上の世代になるほど、この男性幻想に捉われている節がある。

粗野であったり、攻撃的であったり、マウントをとる鎧を選び、それが皮膚組織と癒着して脱げなくなる人もいるようだ。

攻撃性の高い鎧をつけている人ほど、大きな傷があったり、傷つきやすかったりする。

過剰に自分を大きく見せようとしたり、マウントをとらないと気が済まない人は、もともと繊細さんだったのかもしれない。

人に好かれたかったはずなのに、攻撃性も完備した鎧をまとう人生を選んだことで、それがままならなくなる。

そして誰かを傷つけることが、その人のスタイルであると誤解される。

過激な行動をとるのが癖づいた無頼な人は、たいてい傷を隠す目的で鎧をつけている。

こういう人は、一対一で当人が安全を実感できる環境になると武装解除することも多い。

鎧を脱いだ中の人間は、全く別の繊細な人物であることがわかり驚くことも少なくない。

しかし、第三者が来ると途端に鎧を身につけ、過剰な防衛という名の攻撃に明け暮れる。

人前で鎧を脱げる時間が、ほんの一瞬しかないのだ。

見ていてなかなか辛い。

鎧は、自分の意思で適宜、着脱できる方がいい。

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