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身体を重ねるなんて簡単だと思ってた。

自暴自棄になっていた。

見た目の好みとか
雰囲気とか
声とか口調とかしぐさとか
一切無視してしまえば
セックスなんて簡単だと思ってた。


『合わない匂い』

ってのだけは無視できなくて
臭いとか苦手というより
その人個人の持つ体の匂い。

なんか気になる。
なんか合わない。
そっちにばかり気を取られ、
全然集中できないし、
気持ちも盛り上がらない。
痛くて痛くて
吐き気すらした。

一人でいるよりマシだと思ってた。

好きでもない人と体を交えるのが
悪いこととは思わない。
けどただエネルギーを枯渇するだけなら
合法なお店に務める方が合理的だと思った。

ただ私の場合い
痛みに敏感なだけでなく
色んな事情が重なって
そういう仕事には就けなかった。

当時はそれ以上に
やりたいことがあると気づいてしまったし
勇気もなく逃げ出した。


今なら適当に遊べると思ってたけど
嗅覚がそれを拒絶する

嘔吐から逃れようと
無謀な選択をしてみたけれど
それすらもできなかった。

いい大人なんだから
誰と寝ようと勝手なんだけど
確実な逃げ道にはならないらしい。


えんぴつ。

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