一生分のワンナイトラブ

マッチングアプリでマッチした女性M。

写真では70点くらい。かわいいなというくらいだった。90点オーバーではなかったのでのんびり連絡をとっていた。何度か電話するうちにとても気が合うので会ってみたくなった。
会って写真とあまりにも違うとお互いにきついので、お互いの容姿を映像で確認するためにテレビ電話をする日時を決めた。

当日になると、あまり気が乗らなかったので寝癖のままテレビ電話に臨んだ。
そしてテレビ電話を繋いだ瞬間、すごい衝撃が走った。これまで出会ったことないくらいの可愛らしさ。よくこんな子に70点などと思えたものだ、完全に120点。。。

1時間ほど雑談をし、一週間後に早速デートの日を決めた。

電話が終わったあともMの顔が頭から離れずにいた。

やはりもっと話したくなってしまい数時間後にまた電話をした。
Mの声と笑顔にとてつもなく癒やされる。

翌朝唐突に、やっぱり今日会いたい、とMに連絡した。Mの都合なんてなにも考慮せずこちらの願望を押し付けてみた。完全に恋に落ちている。
Mは戸惑いながらも、残業がなければご飯に行こうと言ってくれた。とても優しい子だ。

午後3時頃、Mからラインがきた。
仕事量が多く今日は遅くなりそうなので後日にしよう、と言われた。
僕が唐突に押し付けた予定なのでこうなってもなにもおかしくない。
焦りすぎは良くないと思い、来週のデートまで待つことにした。

さらに翌朝Mから連絡があった。

来週のデートをキャンセルしてほしい。

無理です。と僕は即レスした。

するとMから
彼氏ができました
と送られてきた。

一回もあったことないがこれはショックだ。
すぐに電話をした。

昨日の今日で彼氏作られてもこっちは気持ちが追いつかない!一回会ってそこで振られたい!
と冗談交じりに言って経緯をきいた。
話しているうちに今日何をするのかMにたずねるとIKEAの家具を組み立てる、と。
これはチャンスだ。僕が組み立ててあげると言い、家にお邪魔することになった。

一回きりでいい。一回だけでも充分だ。

指定された駅に僕は向かった。

駅まで迎えに来てくれた彼女はカジュアルな服装で可愛らしい榮倉奈々似の激美人だ。
笑顔で初対面。少し照れているのが尚更かわいい。

10分ほど歩き、彼女の家に着いた。

おいしいお菓子とお茶を出してくれて談笑スタート。
僕が彼女に惚れていたことを伝え、昨日の今日で彼氏を作ったことを冗談交じりに責めた。
そうしていると更に打ち解け合った。
そして家具の組み立てを始めた。
和気あいあいと家具を組み立てた。
途中組み立てがうまくいかなかったりもしたが、なんとか完成した。完成する頃にはもうカップルなのではないかという空気感になっていた。一緒に困難を乗り越えると絆が深まると聞いたことがあったが正にその理論だ。

組み立ても終わり休憩していると、彼女がオムライスを作ってくれると言ってくれた。ただ作ってもらうだけではだめだ。一緒に楽しく過ごすことが目的だ。
なので「一緒に」作りたいと提案し、彼女主導のもと一緒にオムライスを作った。玉ねぎをわざと大きめに切ったりしてダメ出しを受けながら料理するときも楽しくを心がけた。オムライスが出来上がり、仕上げのケチャップでお絵かきタイム。
僕はここで提案した。
今日だけでもカップルぽくなりたい!
だから彼女になったつもりでお絵書きしてほしい!とお願いした。彼女は何を書いたらいいのか分からず困っていた。
好き、などと書いてほしかったがそれはちょっと良くない。言葉にするとダイレクトになりすぎる。だからハートマークを書いてほしいと言った。これくらいが可愛くてちょうどいい。

この頃には会う前の一回きりでも良い、そんな下心は完全に消え、ただただ彼女に対して優しくしたいし楽しく過ごしたいと思う気持ちになっていた。

オムライスを美味しく食べ終えると、
家まで送るよ、、、と言われた。

帰ってほしいってことか、、、、

本気で家具の組み立てだけだったが楽しく過ごせた。

こんな美女と過ごせた事が幸せだった。

最後にハグくらいなんて出来たらそれはもう最高だ。そんなことを思いながら靴を履いた。

すると彼女が、少し時間も早いのでコーヒーでも飲みに行こう、と誘ってくれた。

彼女の車に乗り、僕たちはスタバに向かった。
そこで更に談笑し、本当に彼女に惚れ込んだ。
体の関係なんかなくたっていい。ただ彼女と話すのが楽しくて癒やされる。そうして時間も過ぎていき、家に僕を送ってくれた。

あと5分もすれば僕の家だ。
僕の家が近づくに連れて寂しさが込み上げてくる。

家の前に着いた。
お別れの時だ。今日楽しく過ごせたことに感謝を告げた。ハグのタイミングを伺うが車の中でのハグは距離が微妙だ。

別れられない。

どうせもう会えないなら断られてもいい。
無理を承知で家に来てほしいと頼んだ。

そして彼女はそれを承諾してくれた。

そこから部屋に入り、更に談笑、気が付けばベッドインしていた。

これまで多くの女性と寝てきたが、こんなにも自分が熱くなるセックスはしたことなかった。
1秒ごとに更新されていく本気度。
彼女の反応もものすごく良い。
時間が許す限り愛し合った。

まともに寝ずに朝7時の目覚ましがなる。
仕事だ。8時に家を出ないといけない。

10分で支度を済ませ、残りの50分で更に愛し合った。

そしてお別れの時、、、
このときが来るのはわかってはいたが悲しすぎる。

彼女を駐車場まで見送った。
車に乗る前、歩行者を気にせずキスをした。

車が見えなくなるまで彼女を見送った。

今まで出会った中でも、そしてこれから出会う中でもこんなにも美人で可愛くて楽しい女性はいないと思う。1日だから嫌なとこが見えなかったのでこう感じているのかもしれないが、これまでの僕の人生の最大瞬間幸福度がMAXなのはこの日だろう。そしてこれからもこの日を越える日はないと思っている。死ぬ間際はこの日のことを必ず思い出したい。


あ り が と う 。
ま た 会 え る 日 ま で 。

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