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殺戮にいたる病 感想

こんにちは、初めましての方は初めまして、秋比と申します。
私は常日頃からだらだらとTwitter(現X)をしているのですが、何かを読んだり見たりした感想が(私がきちんと文をまとめて呟く方ではないこともあり)、そちらではとっちらかりがちなのをどうにかしたいなあ〜といつも思っていたので、試しにいちどnoteに残してみます。
ちなみに私は三日坊主ならぬ一日坊主なほど大抵のことは飽きっぽく冷めやすいので、もう二度と感想noteは書かない可能性があります。もしこれが最初で最後のnoteになっていたら察してください。
では以下から感想書きたいと思います。ちなみに、がっつり内容に触れるので、居ないとは思うんですけどもし未読でネタバレ回避したい方が居たらここでお逃げください。

めちゃくちゃ面白かったですね。これは読んでる時おもわずTwitterでも言っちゃったんですけど、文がすごく読みやすい。
本当にずぶの素人で申し訳ないんですけど、作者の方のお名前が(字面の印象的に)すこし仰々しくて実はかなり構えて読んだんですが、いちど開いてみたら文章が水を飲むみたいにすらすら〜っと読めて、厚みがあるのに突っかからず最後まで一気に読めてしまって、全体的に「読みやすい!」って印象でした。どこがどうとか、はっきりとはよくわからないんですけど、もしかしたら私の好きな文章なのかも。
私が今回買ったのが珍しく紙の本で、これは新装版ってやつなんですね。検索すりなりなんなりしてもらえればわかると思いますが、黒地に赤いドクロが大きく描かれている表紙で、見るからに「ヤバいぞ〜!」って雰囲気なのが余計に私を構えさせたのかもしれません。危険物!!触るな!!毒の本!!って感じです。
でもそういうの好きなので買っちゃいました。現代においては珍しくもないでしょうが、刺激中毒なので……。
ちなみに、これは読み終わった直後にパラパラとところどころ捲って読み返しながら書いてるので、あんまり内容が整理できてないかもしれません。

なんかもう、綺麗に叙述トリックに引っ掛っちゃいました。最後付近で、え、え、何が起こってるの……??ってだんだん混乱しだして、最後のページでエーーッ!?!?って叫んでしまった。心の中で……。
いや確かにところどころの描写がおかしかったんですよね、稔(犯人)の年齢が他の人からは三十代とか言われているのは明らかにおかしい、でも読んでいると稔の精神が常人とは違うステージにいる(狂っているとか、頭がおかしいとはちょっと言い切れないですね…)(うえに、愛した女の人が悉く腐ってしまうショックもあったので…)ことがわかるので、その影響で多少老けて見えていたとしてもおかしくはないかな?って脳内補正で気にしていませんでした。
けれど、最後に辿り着いてから思い返して見ると、そもそもえりかに「おじい」みたいな呼ばれ方して反射神経追いつかない〜とかカーゲーム下手だったのも実年齢が私が思っているよりもずっと上だったとしたらすべて頷けることです。いや、すみません、カーゲーム下手なのは年齢がどうとかではなく単に稔が下手なんだろうなとは思っていますけど!
そして書いていて思い出したんですけど最初の被害者もあれは稔が歳上だったからあんな言葉遣いをしていたんですね。
あと、女の人がほいほい着いていきがちなのも、もしかしたら見るからに「チャラ男です!」って見た目の若者ではなくて、稔落ち着いてる雰囲気漂う大人の男性だったから……とかなんですかね?確かに信頼は若い男性よりは稼げそうですが……。稔、一応、二児の父親なわけですからね……。
母親、雅子のほうですね、が息子の部屋を不在時念入りにチェックしているのでかなりゾゾゾ〜……ってしたんですけど、途中の稔の回想で、稔が幼少期母親に性的な関心を向けていたことがわかり、かつそれが両親に露見した経験があったのであれば、それほど息子の性的嗜好に過敏になることも……ある……あるかな……!?!?と思ったんですが、結果的には全然関係なかったですね。
いや、もしそうだとしたら息子だけにそうした注意を向けているのも、性的なものを遠ざけたいのかそうでないのかよくわからない論調も納得できるなと思っていたんですが、普通にただただ世間知らずで潔癖なお母さんなだけでしたね。母親に疑われたのは冤罪だし、部屋漁られてたし、挙げ句の果てには殺されちゃった息子、災難すぎる……。
「消えたビニールがふたつ」でお!とはなってたんですが、前述のとおり私はきれいにトリックに掛かっていたので、現場にいち早く駆けつけて刺された男性は稔の父親なのだとばかり思っていました。実は子どもたちにきちんと目を向けている良いお父さんだったんだよパターンかと。全然違いました。むしろ息子でした。どういうことなんだ。
けれど、最後に振り返ってから考えて見ると雅子が相当に性嫌悪が強いらしい女性なのは、かなり納得の行く部分ではありますね。ああいった性癖を持つ稔の選ぶ女性は確かにこういった性格でしょうねという納得感があります。
今気になってパラパラと見ていたんですが樋口って何歳なんでしょう……敏子より30くらい上ってことは、50〜60代…?ですかね?
樋口、絶対カッコいいでしょ…!!と思って私は萌え萌えで読んでたんですが、(※私はおじさんが大好き)「樋口さんは魅力的です!」ってかおるが言ったやったときはもう脳内でパーリーでした。やっぱりかっこいいんじゃん。あとあんまり大きい声では言えないことですが、奥さんに先立たれたという悲しい雰囲気がより渋さを際立たせていそう。元警官、カッコいいな〜……これはファザコン刺激されるでしょうね!一途なのもいい!
結構過激な話が好きなほうなので、稔の性癖が明らかになるにつれそこに一貫性が見えて面白かったんですが、明言はされていないものの、母親(と幼い日の自分)の面影がある女性が「死んでいなければならない」のは、きっとそうでないと拒絶されてしまうからですよね。いいえ、母親に対する理想像が極限までに歪んでいることも考えられますし、それもひとつの事実だとは思いますが。
途中までは本当に感じた様子を見せない女性が好きなのかと思っていましたが、これは私の想像でしかないのですけど、おそらく稔が母親に打たれていなければ(これは絶対にありえないことでしょうが、或いは母親が稔の想いを受け入れていれば)、稔の好きな女性像に「死んでいければならない」という特徴が浮かび上がることは無かったのではないかなと思います。
事件後のかおると樋口はどうなるんでしょうね。姉のことがどうしても思い浮かんでしまうでしょうし、個人的にはここが結びつくのはどうなんだろう…と思いますが。
個人的な話にはなるんですが、私がひとつ前に読んだ小説にも近親相姦の要素が含まれていたので、私はそういうの全然好きなほうなんですけど立て続けに目の当たりにすると世の中ってそうなの!?みたいな気分になってしまいます。そうではないだろ。
これもあんまり大っぴらにする話ではないかなと思うんですけど、親が性癖、もう少し言い換えると親という存在が性的対象に深く関わってくるのはある意味では人間の心理だよなあと私はずっと考えているので、やっぱみんな同じこと考えるよな〜って思いますね。いやそうじゃない人もいるんでしょうけど。

なんか最終的にクセの強い話になってしまいました。とっても面白かったし叙述トリックだとは知らずに手をつけてすっごくビックリ出来たので楽しい経験だった。同じ作者さんの別の本も読んでみたいなあ。
ちょっとこの文量が多いのか少ないのかすら私にはよくわからないんですけど、3000文字以上ももし目を通してくださった方がいたら感想見てくれてありがとうございます。割と楽しかったしまたnote書こうかな。小説以外の感想もまとめてこうして置いておきたい。感想じゃないことも書きたい。きっと続けばいいな。
ありがとうございました。面白い小説だった〜。










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