サンタとお坊さんの季節。12月のゴールデン街

みなさんはゴールデン街はご存じあろうか?歌舞伎町のすぐ横に無数の飲み屋が集まるディープな空間で知られている。海外からの人気も高く、歩けば異国、異国、異国の人が闊歩、闊歩、怒涛の闊歩している。

 これはお坊さんが走り回るほど忙しい師走にゴールデン街のとある店に飲みに行った時の話でした。

 いつも、飲みに行ってる店に入ってみるとそこにはサンタクロースがいました。サンタといっても無地の暗い色のセーターに派手な髪をした青年(齢20前半)がサンタ帽を被っていたのだ。しかし、それはあわてんぼうのサンタクロース。その日は12月の第一週。そんな時期にその恰好をする奴がいるのかと思いながら席に着いた。だがアルコールが入ればそんな引っかかりはどうでもよくなり、むしろ話題の種になり次第に打ち解けていった。場の雰囲気が温まりその夜に初めて会った青年サンタ、私、30歳くらいの男性、店番の四人で談笑しているとそこに新しくお客が来た。

 ふらふら~っと光に釣られた羽虫が飛ぶように歩みを進めカウンターに突っ伏し「とりあえず、ビールくださぁい!」と言うのだ。店番の人に聞くとその上機嫌な男性は話を聞くと本職の僧侶らしい。僧侶というものは酒を飲んでよいものなのかとまた頭に疑問符が浮かんだ。あまり深く考えても意味がないので「お酒を飲むお坊さんもいても良いよね」という便利ツール、多様性で片づけた。かなり酔いが回っているらしく青年サンタに絡み始めた。二人とも12月になればあわててプレゼントを用意するサンタクロースと寺の中を縦横無尽に駆け回るお坊さんの奇跡の宗教コラボに胸を躍らせる私。

だが、どこか様子がおかしい!

 隣からチュッ..チュッ..と聞こえてくる。よく見るとそこでは僧侶が青年サンタの手を愛でながらキスをし口説いているではありませんか。噂には聞いていたが僧侶の男色というものは存在するのかと青年には悪いが感動を覚えました。手を愛でながらキスをする姿はさながら吉良吉影でありました。さらにこの吉良吉影、青年をホテルに誘っているではありませんか。たじろぐ青年、ノリノリ僧侶。店番ともう一人の男性と乾杯をし解散

その後の青年がどうなったかは読者の皆様にお任せします。


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