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#21 最近よんだもの(3)

「シニア右翼」(古谷経衡、中公新書ラクレ)

 第4章「未完の戦後民主主義」が圧巻。右派の実情や日本の民主主義の成り立ちと問題点などが整然と説明され、複層的な現状の見通しがかなりよくなるという印象。息子に「保守ってなに?」と聞かれましたが、答えられました。なぜか妻も子も読んでます。

「白装束集団を率いた女 千乃裕子の生涯」(金田直久、論創社)

 まず取材する側の感想としては、ノンフィクションとしてとんでもない労作。読みものとしては、読者を選ぶだろうけど、かなり面白い。この人プロのライターじゃないのか。著者プロフィールをみたら京極堂こと中禅寺秋彦のよう。在野のオカルト研究者だからこそ、ここまで書けるのかもしれない。パナウェーブ研究所・千乃正法の教義などへの理解の深さは、驚くほかない。分かっていないと、ここまで元信者に取材できないだろう。東スポ的興味で読み始めたが、いち宗教団体の大河ドラマといった趣。平成の邪宗門(これは嘘)。

「戦略で読む高校野球」(ゴジキ、集英社新書)。まだ読了に至っていません。

 先日の「湯遊ワンダーランド」は、映像化は不可能と言われていた(かどうかは知らない)、伝説の肛門日光浴のシーンをともさかりえが見事に演じきっていた。すごかった。

 しかし、除霊のために肛門日光浴をする漫画家や、共産主義者によるスカラー波攻撃から逃げ続ける人たちや、メディアが伝えない真実とやらを疑いもなく信じてしまう人たちと、自分は何が違うのか。似たようなものなのかもしれない。いや、同じなのだろう。

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