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#27 ワクチン接種の非希望者は18%。東京69%で頭打ち。北山村から推定してみた。

和歌山県の北山村は7日(月)に希望者はすべて2回目のワクチン接種が完了したそうです。

「希望した16歳から99歳までの318人全員が2回目の接種を終えた」

「余ったおよそ300回分のワクチンは、和歌山県を通じて近隣の自治体に提供される」とのこと。NHKニュースより。

この村は、高齢者だけでなく16歳以上への接種を進めています。1箱975回分のワクチンが供給されたので高齢者に限定しなかったそうです。

さて村の全人口は、NHKニュースでは「住民およそ430人」朝日新聞「村の人口は4月末時点で432人」ですが、村のホームページは令和2年度末(2021年3月末)426人とある。

318/426=74.6%

接種希望者はこれだけ?残りの108人(25.4%)はどうした?

(1)子供?

昨日の#26 RESASで人口構成を調べる。

2020年の0歳~14歳は30人(男14、女16)です。16歳は15歳~19歳の5人の1/5として1人と推定。よって31人となります。

ということは残り77人は若い年齢でなく接種を希望しなかった人。

77/426=18.1%

(2)感染済み?

すでにコロナになって打たない人もいるかもしれない。この比率は県の人口に対する累積陽性者数(5月末)とする。

和歌山県 2,618人÷ 94.43万人=0.277%

奈良県 8,015人÷132.2万人=0.606%

三重県 5,056人÷178.2万人=0.284%

北山村は全国で1つの県境をまたいだ飛び地として有名です。和歌山県の他の市町と接することはなく、むしろ三重県の数字が近いと思われます。

よって0.3%とすると 426×0.003=1人

(3)病気、重い障害、妊娠、アレルギー等で「打てない人」がいるでしょう。

(4)さらにその残りは「ワクチン拒否者」「注射嫌い」かそれに近い考えの持ち主と考えていいでしょう。

以上から(3)(4)の「打てない」「拒否者」が合計で76人(17.84%)

田舎(しかも県境の飛び地の村!)で同調圧力が強いことを考えるとかなり多いという感じです。

ワクチン拒否なんてマッチョ共和党員、原理主義とか陰謀論のあるアメリカだけだと思っていました。子宮頸がんの事件もあったし拒否反応は強いのかな(特に子供へ)。京都では『「子どもへのワクチン接種やめろ」電話殺到』という事例もあるくらいですからワクチン反対論者は意外と多いのかも(これは12歳~15歳というのが気に入らないらしい)。

北山村という特殊な先行例で推定するには少し無理がある気もします。高齢化率だけでも高いはずなので。今後はこういったデータで精度を上げていくことが必要でしょう。

次に、東京都を(1)(2)で修正してみましょう。16歳から打つことにします。総人口1,373万人

(1)16歳未満は1,644,640人(11.98%)

(2)累積陽性者は164,000人(7日現在)ですので20万人(1.46%)とします。

(3)「打てない」+(4)「拒否者」の合計17.84% =244.9万人

(1)~(4)合計31.28% = 429万人 

よって、残りが「推定された接種希望者」 68.72% 943.5万人

北山村との差は0歳~15歳の構成比の違いがほとんどです。

集団免疫のためには一般的に70%~90%が必要だそうです。これは子供もアレルギー者、病人、妊婦などを含んだ分母数に対してです(※)。

接種希望者74.6%(北山村)、68.7%(東京)はかなり厳しい現実です。感染済みの人を「接種完了」とみなしたとしても微々たるもの。これは16歳の高校生にも頼むという甘い数字なのですが・・・

私たちはワクチン予約殺到の映像を見て「みんな打ちたいんだなあ」と思いがちですが、実はそうでもないようです。

実際、最も先行したイスラエルは、徴兵や軍があったこともあって進行は早かったのですが、4月の55%になったあたりから横ばいで、現在は58%くらいです。ユダヤ教の超オーソドックスが人口に12%いるためもあるようです。

アメリカも日常生活が解除になっていますが44%くらいで止まっています。それで宝くじを付けたりあの手この手で誘っているわけです。余ってしまっているので旅行者にも打ったり、台湾にも配ったりして。

日本経済新聞サイト「チャートで見るコロナワクチン 世界の接種状況は」2021年06月09日 更新より引用 完了=2回の場合とJ&J1回の場合もあり

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ということは集団免疫は50%を目途にしてもいいのかもしれないな。あるいは緩く1回接種で良しとして65%くらいを目標にするか。

公式にはまだ次のような形式の数字しか出していない。

6月8日時点:

65歳以上高齢者 25.6%(のべ) 3.3%(2回)

医療従事者 104.7%(のべ) 75.6%(2回)

あたかも進んでいるかのよう。

でも、国民全体の数字をわかるように出さない。少ないのを隠している状態。よって自分で計算してみた。総人口12,630万人とすると、日本全体は

少なくとも1回接種 1450万5288人 = 11.48%

2回接種 486万6397人 = 3.85% これを50%まで目指す?!

全然追いついていないのです。「接種者1000万人突破!」で安心して「オリンピックできそう」などと、あなた錯覚して(させられて)いませんか?

参考

NHKニュースWEB https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210607/k10013072401000.html

東洋経済ONLINE   「新型コロナウイルス国内感染の状況」https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

日本経済新聞社「チャートで見るコロナワクチン 世界の接種状況は」https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-japan-vaccine-status/

日本・内閣府のまち・ひと・しごと創生本部 RESAS地域経済分析システムhttps://resas.go.jp/#/13/13101

※ 追記(2021/6/18)

昨日(6/17)夜の菅首相の記者会見。緊急事態宣言の解除。

記者から「(集団免疫のために)いつ50%達成するか?」という質問に対して、最初「希望者の50%」、すぐに「高齢者の50%」とドンドン分母が小さくなって、これが集団免疫とは全く関係ない答えになっていました。人口に対する数字でないと意味はない。しかも「いつ」はついに回答せず。

そもそも記者の「50%」はどこで誰が決めた数字なのでしょうか?

勝手に一人歩きするのが怖い。のべ接種回数2000万突破って「大本営放送」に近い戦意高揚策だな。

記者はこの首相の回答で納得しているのだろうか?翌日の報道等を探しても何も書いていない。どうでもいい記者会見なのだろうか?茶番劇を見せられている。質問は短く1つに絞ったほうがいい。すぐ逃げるから。

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