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#229 イノベーションって技術の話?

「イノベーション」って理系/技術者の話でしょうか?

「経済成長にはイノベーションが欠かせない。」
「企業の目標は、『顧客を創造すること』。これが妥当な唯一の定義」
「これを実現するのに必要な機能は、マーケティングとイノベーションだけである」とする。(ドラッカー[1954]「現代の経営」)

1956年「経済白書」では『技術革新』と訳してしまいました。これが誤解の元

中国も最初は”技術革新”と訳していましたが、1980年代後半から『創新』に変えました。これはいいことでした。

日本ではいまだに「工学系」のセンセイがイノベーションを語ります。

シュンペーター(Schumpeter)[1912] [1942]によると『新結合』であり。

① 「新しい財貨」 (新製品・新商品)
② 「新しい生産方法」 (新生産技術・新製法、新輸送物流方法)
③ 「新しい販路」 (新市場)
④ 「新しい供給源」 (原料・半製品の新供給源)
⑤ 「新しい組織」  (新しい組織、生産組織、産業組織)

その特徴は、「非連続性」(≒予測不能)「能動的」である。

“郵便馬車をいくら連続的に加えても、それによってけっして鉄道をうることはできないであろう”
“鉄道を作るのは、駅馬車の所有者ではない”

これからすると、日本お得意の「カイゼン」、「TQC」はイノベーションとは言えませんね。

自動車の時代が来ても、馬車の改造している人がいました。

電気自動車の時代が来ることがわかっていてもガソリンエンジンから逃れられない会社もあります。

自らの優位性を手放す決断ができないものです。

「まだ先の話だ」と考えます。

ゼロックス、コダック、日本のカメラメーカーなどのようにデジタル化はわかっていて技術もあったのに「それはまだ先の話」と考えました。

こういうのをクリステンセンは「イノベーションのジレンマ」と言いました。

吉野彰・旭化成名誉フェロー(2019年度ノーベル化学賞受賞)
“日本の産業は、最終製品やサービス業など「川下」に当たる部分には課題が多い”

材料や部品といった「川上」はイノベーション①のごく一部に過ぎない     

これが、GAFA ≫ 島津、村田、京セラ、ローム・・・の理由です。






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