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いつもの校門

学校には大体複数の校門があるが、通っていた学校もそうだった。シンプルに北門、南門なんて呼ばれ方をしていたが、小学校と中学校高校と、いつも自分は仲の良い友達とは反対の登下校門だった。

「なんで自分だけ別の登下校門なんだろう」と、楽しい友達との登下校ができないことへのささやかな不満があった。

たまに、「今日はこっちから帰るわ」と言って、友達の出る校門から着いて行って、今日の部活のこと、ラーメン食べて帰ろうなんて話をしながら自転車を漕いだ。「ああ、いつもこういうのができるといいんだけどな」と思いながら、どんどん家からは離れていることを思い出す。

ここを過ぎると大分遠くなるという所で、「そろそろ曲がるわー」と友達と別れる。長くなった帰り道を1人で帰りながら、「こうして自分はみんなとは違うくじを引いちゃうんだろうな」なんて莫大な失望に仕立て上げていた。

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