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眠れない夜には

 深夜、もうそろそろ寝ないと、という時間になってもなんだか眠くないという日がある。本を読んでみたり、映画を見てみたり、とりあえず布団に入って目を閉じてみたり、しかし、寝なければと思えば思うほど逆効果で目が冴えてきてしまう。
そんなときにわたしは、部屋を暗くして、録画してあるNHK日曜美術館「世界で一番美しい本 ベリー侯のいとも豪華なる時祷(とう)書」をつける。

 時祷書とは、中世ヨーロッパの装飾写本のひとつで、ローマ・カトリック教会が修道院の暮らしを生活に組み込みたいと考えた一般信徒のために編集したものが一般的とされる。(Wikipediaより)

 中でも「ベリー侯のいとも豪華なる時祷書」は、タイトルさながら最も豪華な写本とされ、1月から12月までの当時の貴族の優雅な暮らしが描かれている。

 どでかい城を背景に畑で作物を育て収穫している人たちがいるかと思えば、豪勢な食事会を催し、若い男女で馬に乗って森へ出かけ、女性に言い寄っている人もいる。
 絵に描いたような貴族を絵に描いたなという感想であるが、オールカラーの挿絵には色鮮やかで高価な顔料がふんだんに使われており、中でもラピスラズリの青と金の装飾にはうっとりしてしまう。

加えて、作曲家・阿部海太郎さんがこの番組のために書き下ろした音楽が耽美な世界へと誘ってくれる。

 まさに夢見心地。脳内トリップ。こうやって感覚が鈍くなってくると、いつの間にか眠くなっているのである。(書いているだけでも睡魔が・・・)
 番組の録画なんてしてないよって方がほとんどだと思うので、ぜひ阿部海太郎さんのそのアルバムだけでも聴いてみて欲しい。良い夢が見れるはず。

阿部海太郎「Le plus beau livre du monde 世界で一番美しい本」

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