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ブランドの作り方の考え方、色々。

今回の課題図書はこちら。

ターゲティングや絆はマーケティングにはいらない

その中の「ブランディングの科学」では、数値的エビデンスに基づいたマーケティング論について書かれており、いつもとは違う視点を学ぶことができました。

そこでは、ターゲティング・ポジショニングは不要。消費者によるロイヤルティや、企業と消費者の絆はブランド間で大差ないのでマーケティングで考えることではない。マーケティングで必要なのはメンタルアベイラビリティとフィジカルアベイラビリティ。STP分析などはせず、より多くの人に認知してもらい、選んでもらえるようにし、実際に購入しようと思ったときにどこのお店でも買える状態をつくることが勝ちパターンだ!既存顧客はどのブランドでも一定数離れていくので新規顧客をそれ以上に獲得していくことで顧客基盤を大きくしマーケットシェアを拡大させていくと勝ち組になれるぞ!そういうお金の使い方をすべし!というだいぶざっくりまとめるとそういった主張でした。

メンタルアベイラビリティ:認知の高まり。つまり想起集合に入り、その中でも第一再生知名になること

フィジカルベネフィット:購入のしやすさ。配荷率と同じことだととらえています。どこのお店に行っても入荷しており、すぐ見つけられるところに配置されておりすぐに買えるような状態のこと

メンタルアベイラビリティを獲得するためには、一貫したメッセージ(ブランドのロゴや商品パッケージ、ブランドカラー、ブランドの理念など)を超長期的にマスメディアに流し続けること。それによってブランドの独自性が確立され、ブランドを想起してもらいやすい状態を作られ、さまざまシーンでブランド想起をしてもらえるようになります。

違和感

考え方自体はエビデンスがあるので、確かにそうなのだろうなと思いつつ、次のような違和感を感じました。

・メンタルアベイラビリティを獲得するための超長期的なマスメディアへの出稿費はどうやって手に入れるのか?
・フィジカルアベイラビリティを獲得するために卸しや小売りに協力してもらうためにも資金はいるが、超長期間に渡ってそれを維持できるのだろうか?
・超絶に認知を得た後、選んだもらうための仕組みはどうすればよいのだろう。知ってるだけでは人は買わないよな。。。

全体的にすでにブランドや企業としての信頼感を得ており、資金面での体力も十分過ぎるほどある、勝ち組なブランドが取れる戦略、そういうブランドしか取れない戦略のように感じました。

本書で良く出てきた理論ダブルジョパディの法則に従って市場シェアが小さく、リピート購入の回数もシェアの大きなブランドより若干低いという小さなブランドでは、なかなかこの戦略の実行は難しくて、まずは小さなマーケットでもいいので新規顧客を取り入れるための活動をコツコツと積み上げる必要があると思います。

その際、お客様に選んでもらいやすいよう、共感を得られやすいよう、消費者視点での文脈で語りかけ、購入者から質の高いクチコミを生成してもらうUGCを大切にしてブランドのファンの影響力を循環させ続けることで徐々にブランドとしても企業としても成長していけると思っています。一定数流出してくと分かっている既存顧客をカバーするための新規獲得にもつながると思います。

そういう基盤ができ富と名声を手に入れてから、さらにマーケットシェアを広げる方法の1つとしてマーケティングの科学に書かれていた考え方も1つなのかなと思います。

この本に敵対するつもりではないですが、熱狂ブランドマーケティングではファンだけで売り上げを作り切れるとは考えていなくて、コアなファンを通して生まれた熱量を世の中に波及させ、見込み顧客を新規顧客へと転換させていく必要があると考えており、ファンは顧客理解の協力者であると考えています。

認知はお金で買えるけど興味関心はお金で買えない。ブランドとお客様の絆や愛を除外した考えのマーケティングで得ることができたない部分がここ(興味・関心・購入意向)であり、それをしっかりつないでマーケティングファネルの右に右に進めていく考え方の方が好きだなと個人的には思いました。

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