見出し画像

君も君のあいしてる人も、僕はあいしてる『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

やあ、僕だよ。
ぐんと増えた「やらねばならない」を毎日なんとかこなしていて、息子氏の一ヶ月健診も、初めての大学の課題も、パート代わりの仕事も、忘れずにやることができた。

人並みに生活できている充実感と達成感で調子に乗っていたら、ワクチン接種の案内をなくし、もらった連絡の折り返しを忘れてしまった。
ほーんと僕っていつもこうなんだよなぁ。

今回は大量の涙でデトックスできると聞いた一本。
手落ちを見つける度に落ち込む僕に優しく染み入る映画だったよ。
加えて、今週の僕のハイライトや「あいしてる」についても書いていくね。

さあ、今日も始めようか。
楽しんでくれると嬉しいよ。

本作あらすじと感想

テレビアニメ版、スペシャル、外伝すべて視聴済み。
京アニここにあり、という超絶美麗作画のアニメシリーズ劇場版。

自動手記人形、通称ドールと呼ばれる手紙の代筆業を通じて、「あいしてる」の意味を知った少女「ヴァイオレット」。
彼女はかつて壮絶な戦争で「あいしてる」をくれた「少佐」を失い、しかし街一番のドールになってもなお「少佐」を探していた。
「ヴァイオレット」に代筆を頼んだ顧客のひ孫、余命幾ばくもない少年、そして「少佐」
に会えない「ヴァイオレット」と、視点が移り変わりながら進行する物語はともすると「結局何が言いたいの?」となりがちだが、本作では描きたいものがはっきりしているのでその心配はいらない。

しかもその移り変わりに際して、物語のアイテムを上手く使い、徐々に色んなものの因果が絡み合って行く様子は秀逸。
これは原作の為せる技なのか、それともアニメ制作サイドのセンスなのか。多分どっちもだな。

ラストシーンの汚さと美しさを魅せたい想いが強く伝わる作品だった。
が、号泣したのは冒頭と「ユリス」の電話と手紙のシーン。子どもができた途端、これなんだから僕もまったく単純なやつである。

「あいしてる」の意味を考えながら観たい一本。できたら「あいしてる」人と一緒に観るといいよ。

少佐はロリコンなのか問題

これはテレビアニメ版からの疑問だった。
ギルベルトがヴァイオレットに別れ際「あいしてる」と言った意図やその意味は、人によって意見が分かれるところだろう。
僕は家族愛に近いものだと解釈していた。あるいは、愛のなりそこないだと。

本来であればもっと時間をかけて、二人なりの愛を深めていくフェーズだった。
戦争やしがらみがそれを阻止し、愛は宙ぶらりんになった。ギルベルトが甲斐甲斐しく世話をする様子から、家族愛のようなものは芽生えていたと思われるが、それも断言はできない。

であれば、あの別れ際の「あいしてる」は愛のなりそこないであり、もっとずっとあとで言われるはずの愛の言葉だったのではないだろうか。 まさに愛の前借りである。
災害が起きると結婚するカップルが増えるらしいが、「愛してると確信できていないが今死ぬ時一緒にいるならこの人がいい」という思考がリアルになるせいなのだ。
これもまた愛の前借りで、大体その「この人がいい」の感覚は間違ってないと思うんだよね。

社長の父性と夫の父性

「娘を持ったら身が持たない」とホッジンズが嘆いている。
確かにCV浪川大輔のダメ男に執心するヴァイオレットを見たら、心配になる気持ちは痛いほどわかる。
感情を獲得する過程を間近で見守ってきたホッジンズは、周囲から「保護者じゃない」と揶揄されているけれども、彼はやはり「保護者」になりうる立ち位置だから「身が持たない」のだ。

僕は息子氏が連れてくるパートナーを見たくて見たくて仕方がない。
彼が「あいしてる」と確信して紹介する人はどんな人なのだろうと今から想像している。
夫に「悪い女に騙されててもいいんだよ。騙されるくらい入れ込める相手を見つけられるって誰にでもできることじゃないからね」と言ったら、「そもそも性自認がどっちかもわからんしな」とさらっと返された。
ずいぶんダイバーシティな夫である。男の娘キャラもすんなり受け入れる夫だけれど、自分の息子がいざそうなったら右往左往してしまうものだと思う。
それが(今のところは)ないというのは、結構自分の息子のことを「あいしてる」からこそだろう。

(実質)娘の「あいしてる」の行く末を過保護に心配するホッジンズも、息子の「あいしてる」がどんな形でも受け入れる夫も、どちらも父性である。
どちらも自分の子どもが可愛くて「あいしてる」から獲得した、後天的な素晴らしい能力である。

一ヶ月健診でめっちゃでっかくなってた息子氏

3000グラムもいかなくて、あんなに頼りなげな息子氏がついに4200グラムに到達した。日に60グラム以上増えているとのことだから、驚異的な数字だ。
彼の「やらねばならない」は飲み、出し、眠ること。
たまによくわからん意思を見せ、母や父を困らせること。これである。

その点彼は実にスマートに「やらねばならない」をこなしていた。一方僕はといえば、えっちらおっちら、なんとかこうとかタスクを消化する毎日。
今日だってどうにかこうにか大学の課題をこなし、仕事のメッセージを返した。が、流しには洗い物が溜まり、洗濯は干せたが取り込んだものは畳めず、積まれていくばかりである。

それでも今日は掃除機をかけ、綺麗になった部屋で涼しい夜風に吹かれながら、息子氏をお腹に乗せて寝転がれた。
ずっと観たかった映画も観れた。noteも更新できた。

なんだ、今日も結局最高だったってことじゃないか!

#日記    #エッセイ #スキしてみて  
#映画    #ヴァイオレットエヴァーガーデン #京アニ 
#夫の父性   #息子氏をぎゅ #あいしてる #映画感想文
#色々穴だらけだっていいじゃない  

この記事が参加している募集

スキしてみて

映画感想文

いつもサポートありがとうございます。頂戴したものはnote活動費としてじゃぶじゃぶ使わせて頂きます。ぐへへ。