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【es】〜Theme of es〜の先駆性

Mr.Children の「【es】〜Theme of es〜」(1995)には、いくつかの先駆性がある。

まず、同年の大震災やサリン事件を念頭に置いた歌詞だ。同世代のメジャーなアーティストの中では、世相や社会問題を歌にしたのは画期的だったと思われる。

次に、Radiohead の「No Surprises」(1997)の歌い出しのメロディが、【es】のそれと少し似ている。97年当時の世界におけるJ-POPの認知度からすると、彼らがミスチルの曲を知っていた可能性は低い。だが歌詞にも少し共通点が見られる。【es】のサビは「何が起こっても変じゃない/そんな時代さ覚悟はできてる」であり、要約すれば‘no surprises’ と言える。

また、早逝したOwsley というシンガーソングライターの「Coming Up Roses」(1999)のサビは、【es】のそれと結構似ている。こちらもミスチルの曲を知っていたとは考えにくい。逆に、知らないはずなのに似ているのが面白い。

あと、Cメロの「意味ないじゃん」という印象的なフレーズは、『明石家マンション物語』(1999〜2001)の「大日本意味なし教」に先んじている。

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