イチローとケーススタディ

今日(2019/3/23)の日経の総合面にイチロー引退の記事が出てた。

日米球界の革命家 イチロー引退:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO42814390S9A320C1EA1000/

日経の総合面にスポーツの記事が出るのはとてもめずらしい。それくらい、彼はスポーツだけでなくビジネスマンとっても見習うべきロールモデルとなっている。

「人より頑張る、というのではなく、自分の限界を見ながら、少しずつ(自分を)越えていった結果」というイチローの哲学が記事に書かれていた。人はこうした考え方を見習いたい、と思うのだろう。

人は平均的な人ではなく、飛び抜けた人から何かを学びたいと思うものだ。野球選手であれば、平均的なプロ野球選手ではなく、イチローのようなスーパースターになりたいと。

こうした平均に着目するのが統計学で、平均的にこっちの方が良い、という結果を導きだす。例えば、MBAを取得した人の方が、そうでない人よりも「平均的に」給与が高い、みたいなことを見出だすのが統計だ(ちなみにMBA取得者の方が給与が高いかは知らないので、ほんとかどうかは各自で調べてください)。

一方、飛び抜けた対象を調査するのに適した手法がケーススタディである。例えば、イチローのようにスーパースターがどのような思考、練習方法、ライフスタイルをしていたのかを丹念に調べ、そこから普遍的な原則を導こうとするのがケーススタディである。

統計学では、上記のような飛び抜けた対象は「外れ値」として除外されてしまうだろう。なので、こうした対象はケーススタディで分析するのが好ましいといえる。

そして、こうしたケーススタディをして導き出される原理の法が、人々の心に刺さるような気がしてならない。

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