加速度の幸福

「美味しいものを食べたら幸福を感じる」、「もっと美味しいものを食べたら、さらに幸福を感じる」といった経験をしたとします。
その部分だけを見たら、一見、幸福は「10の美味しさのものを食べたら10幸福、100の美味しさのものを食べたら100幸せ」のように絶対値で成り立つように思えます

しかし、それは事実でしょうか?


例えば、100の美味しさのものを食べても、それが「当たり前」になってしまった時には、同じ幸福を感じ続けることは出来なくなるはずです。
何故なら「慣れ」があるためです。ここで、さらに幸福感を増したい場合は、さらに美味しいものを食べる必要が出てきます


この理屈で言えば、一気に100の美味しさものを手に入れてしまうよりも、10、20、30と少しずつ手に入れるものが良くなっていく方が、幸福感を得続けられる、と言うことになります。
このことを指して、過去よりも状態が良くなっていくことが幸福の本質だと捉えて、「幸福は絶対値ではなく加速度」と表したのだと考えます。


この状態を極めると、最終的には「同じ状態を繰り返せる事が幸せ」と言う事になるでしょう。
同じ状態だと加速度はゼロなのでは?」と言う疑問を持つと思いますが、そこにはひとつ視点を加える事が出来ます。

それは、生きて過ごして来た時間の積み重ねです。


「1000日間今の状態が続いた」が、次の日には「1001日間今の状態が続いた」になった場合、状況の良さの絶対値は変わりません。

しかし、人には時間の視点があるので、「今の状態が1000日間続いた昨日よりも、1001日間続いた今日の方が、良い状態が長く続いた」と捉えることが出来ます

つまり、停滞に見えるものが、実は継続期間の記録を更新し続けている、と言う事です。

この結果、「毎日を無事に過ごせるだけで幸せ」と言う感覚を持てるようになるのではないかと考えています。

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