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31歳を前に

あと2週間ほどで31歳になる。
31歳か。自分が31歳になる日が、昔は想像できなかった。見始めたときは同い年だったコナン君がいつの間にか年下になり、今では小五郎おじさん(38歳らしい)のほうが歳が近くなってしまった。

30歳は、思っていたのと違った。
あまり具体的には想像していなかったけど、それでも違うなぁと何回考えても思う。


周囲の結婚

周りに既婚者が増える。
わかっていたけどやっぱり増えた。

わかっていなかったのは、自分がそっち側に入っていないことだった。

結婚願望は強くない方だと思う。子どもも欲しくない。
だけどなんとなく、周囲が結婚していて私だけ結婚していない、そういう状況になることを想像していなかった。

大学の仲良し3人で集まると私以外は既婚で1人は子持ち。
大学の研究室メンバー6人で集まると私以外はみんな既婚(正確には1人は婚約ステータス)。
中高のいつめんであつまると5人中3人が既婚で、うち2人は子持ち。
東京に来てから知り合った子たちも、ほとんどが年下なのに(私が7年大学に行ってたから)、既婚者が増えた。
妹も2年前に結婚したし、親戚で集まると独身は私だけだ。

まさかこんなに独身が減るとは思ってはいなかった。いろんな生き方がしやすくなった現代だけど、そういう場ではやっぱり肩身が狭いには変わりない。

周りが着実に人生を進めているのに対し、何をしてるんだお前は、と思われているような、そんな被害妄想に勝手に陥るのだ。


何者にもなれない

何者かになりたい、なれない。
SNSなんかでよく見た。そのとおりだった。
私は何者でもなく、何者にもなれない。何かを成し遂げることもできない。

自分は特別なんじゃないかと信じたい時期もあったけど、特別なんかじゃないと気づいてしまう。
本当はとっくの昔に気づいていたけど、認めたくなかったんだと思う。

才能もないし、すごくもない。


あの頃には戻れない

20代って、なんかとてつもなく楽しかった気がする。

20代の終わりでコロナ禍に入ったせいもあるけど、当時は夜遅くまで飲みに行ったりしたし、たくさんの新しい出会いがあり、楽しいことも悲しいこともたくさんあって、刺激的だった。

ドキドキする恋愛があり、感情の起伏があり、忘れたいことも忘れたくないこともいっぱいあった。今もあるけど、なんだか落ち着いている気がする。

秘密にしたいような話したいような恋バナはないし、する相手もいない。
つらいときもあったからもう一度やりたくはないけど、あんな日々はもう二度とないと思うとなんだか切ない。


おとなになった

悪く言えば感情の起伏が減ったのかもしれない。
怒ることもなくなったし、代わりに「怒ってもいいのかな?」と悩み、悲しむことが増えた。

ボロ泣きはしないけど目頭が熱くなる瞬間が増えた。

コスメや服、バックなど表面的なものが欲しくなくなった。
何を大切にしたいか考えて、ものを選ぶようになった。

大事なものが見極められるようになったけど、なんだか冷めてしまった気がして寂しくもある。


歳をとりたくない

若作りしてると思われたくない。老けて見えるとは言われたくない。

やっぱり正直に言うと、歳はとりたくない。
年齢に振り回されたくないと口では言うものの、本当は振り回されてる。

この歳になって「若く見えるね」と言われることが増えたけど、それを喜んでいいのかもわからない。曖昧な、繊細な、敏感な年齢になった。
歳を取ってよかったことのほうが確実に多いのに、若い頃や未成年の頃になんて絶対に戻りたくないのに、やっぱり年齢には逆らいたいのである。



30歳の最後は、こんなことを考えていた。
いくつになってもそんな変わらない気もするし、変わる気もする。
年相応になれる日はくるのだろうか。

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