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感情麻痺

自分の中に、気持ち悪い部分がある。
とても、とても気持ち悪い部分。

今日、選挙へ行ってきた。
選挙会場は、母校。
私は選挙皆勤賞で、選挙へ行くたび、ノスタルジーに浸る。

ずっと、好きだった先輩がいた。
一言も話しかけられないまま、先輩は卒業していった。
それからもう、会っていない。
それなのに、あたしは未だ、先輩が好きだ。
これはおそらくもう、信仰に近い。

先輩の下駄箱の位置を、まだ覚えている。
先輩の席の位置を、まだ覚えている。
先輩の全てを、まだ覚えている。

こんな風にあたしの気持ち悪い部分が、選挙のたびに震えては、その存在を報せる。
あたしはその気持ち悪さに、泣きたくなる。
違う。
泣きたくなるほどに、先輩が好きなのだ、今も。

この気持ち悪さがある限り、あたしは青春時代から、ひとり、抜け出せないでいる気がする。
と言うより、抜け出したくないのかもしれない。
そう思うと、あたしはますます気持ち悪い。

別の誰かを好きになっても、違う誰かと幸せになっても、あたしは自分の核心の部分で、先輩を棄てられないまま生きている。

気持ち悪いなくそが。

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