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卒業

 お便りきてます。ラジオネーム「バニーバックス」さん。『みなさんこんばんは』こんばんは。『3月も中旬。最近、毎日、誰かしらの卒業写真がインスタのストーリーに上がっていて、ああ卒業シーズンだな〜としみじみしています。DJいかちゃんにとって「卒業」ってどんなものなんですか?』

 ということで、いつもメールありがとうございます。なるほどねぇ、「卒業」かぁ。私は卒業式ガチ勢でしたもんで、かなり思い入れはありますね。小学校と中学校の卒業式なんて泣きっぱなしで。特に覚えてるのは中学の卒業式。他クラスに先生から目をつけられてるいわゆる「問題児」の友人がいたんだけど、そいつがサプライズで担任の先生に卒業式の最後に大声で感謝を伝え始めたんだよね。もちろんクラス単位のものだったし、多少なりとは言わされた言葉もあったのかもだけど、あの声色に嘘はなかったんだ。あれは今思い出すだけでも泣けるなぁ。

 「卒業」ねえ。そもそも、この二文字を行使できるのが、若さの特権だと思うんですよね。一般的に社会に出て、会社を離れるときは「退社」とか「退所」だし、夫婦と離れるときは「離婚」、現役を離れるときは「引退」、この世を離れるときは「死去」…学校を離れるときだけじゃないですか?「卒業」って使うの…あ、あとアイドルがグループを離れるときも使うか。そういえば、乃木坂の山下美月さんの卒業コンサート、東京ドームなんでしょ?キャパ5万人とかでしょ?そんでもって2日間でしょ??こちとら、キャパ500の体育館で、私の卒業を祝う瞬間なんて、呼名されるわずか1秒だけですよ…いいなあ…僕も呼名された瞬間に5万人とは言わないけど、体育館の誰か1人くらい歓声をあげてほしかったな…
 いや、けど、そういう厳かな場所でふざける奴は生理的に無理だから、やっぱいいや(笑)。

 DJいかちゃんもですね、まもなく大学卒業を迎えるわけです。もう明日なんですって。けどこのイベントを超えるとさっきも言ったように、「卒業」チャンスなんてもう多分来ないんですよ。ね。そう考えると寂しいですよね。今回は、「卒業」からの「卒業」ですよ。「卒業」って、「今」という青春と離れるのを受け入れることだと思うんです。卒業しても人生は続くけど、環境や社会はガラッと変わるし、絶対帰ってこないものがあるんですよ。二度と帰ってこないものが。たまり場で談笑してたら3時間経ってるとか、同じ人と会いたいって想いだけで1週間会い続けるとか、二郎系ラーメンを3日連続で食べるとか(笑)。今が楽しい人にとっては、これほどまでに辛い通過儀礼はないですよ。私もそうです。卒業後の未来も楽しみだけど、今も楽しいから、どうかこれを切り離さないでほしい。卒業後の未来と区切りをつけずに共存させてほしい。

 けど、そううまくはいかないって心のどこかで分かっているから、「卒業」は寂しいんですよね。卒業シーズンは、二度と会わなくなるであろう人よりも、いつも一緒にいる人との時間を大切にしたくなるのはそういうことなんだろうなって。
 ただね、どうせそうなるのはわかっていても、そこから目を背けていつも通りの日常を送りたいなってずっと思っているんです。「さいごかもしれない」が増えてくるこの季節ですが、あんまり湿っぽくならずに、その寂しさを受け入れずに、「今」をこなしていく方が健康的な気がしています。「卒業〇〇」で埋まっているカレンダーは幸せだけど、それはあくまで最終回じゃなくて、2時間スペシャルでありたい。だから、最近は絶対この言葉を言うんです。

 「また遊ぼうね」って。

 この一言すごいですから。「かいふくのくすり」です。やけどとか毒も取れますから。「今」と離れなくちゃってわかっていてもなんとか、しがみつこうとしているんです。この日常がいつか「あの頃」になっちゃうってわかってても、憂いたり懐かしんだりするフェーズは未来の自分に任せます。とにかく正直に。思うままに。だから、「バニーバックス」さんに卒業が訪れたときも、「また遊ぼうね」って言葉をたくさん使うといいですよ。どうせいつかは誰もが「卒業」するんだから。「今」が続いていく気がする…をたくさん積み重ねたらいいと私は思います。

 さあ、最後に「バニーバックス」さんに捧げる曲かけましょうかね。

この曲の

 いつかまた一緒にお酒飲んで
 いつかまたあの頃の話しような
 いつかまた一緒に駅で歌おう
 幸せな夢の中でありますように
 幸せでありますように

っていうフレーズが大好きで、夜散歩しながら何度泣いたことか。未来のことなんだろうけど、その景色が浮かぶんですよね。こんな幸せなことないですよね。

それでは、今日はこの曲を聴いてお別れです。

ircleで「ばいばい」


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