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私のこと好きなの?

私には好きな人がいた。

知人の共通の友達で、
私が乗せたストーリーをきっかけに話し始めるようになった。

それから、毎日私たちは連絡とった。
お互いのことを知らないからこそ、
質問するのが楽しく、
彼からの連絡をいつも楽しみに待っていた。

あるとき、彼とドライブに行くことになった。
二人で会うのは初めて、
自分の心臓の音が聞こえた。

車に乗ると、彼との会話が弾んだ。
何気のないツッコミとか、
波長が合うなって思った。

彼とは、夜のビーチに行った。
その日は満月が近くて、
とっても空が綺麗だったのを覚えている。

彼がそっと私の肩に手を回し、
そこから私たちの物語は始まったと思う。

何度かデートを重ね、
彼のお家に呼ばれる日が来た。

私たちは学生だから、
寮に住んでいた。

彼の部屋は全然広くはないし、
ベットもとっても狭いけど、
その狭さが私たちを仲良くさせた。

彼のことをよく知るようになると、
彼は私が思っていたより
ずっと忙しいことがわかった。
アルバイトに、学校に、ジム、
彼の中にルーティーンがあって、
それをこなすのに精一杯なような気がした。

それから、彼はクラブに行くことが好きことも知った。
クラブでも音楽を楽しむだけと言っていたから
あまり探るような質問はしなかったが、
内心気になっていた。

それからのこと、
私たちは海外で出会ったので、
日本に私が帰国して3ヶ月。

付き合ってるかわからない関係が
ずっと続いて、連絡だけが私たちをつなぐ糸だった。

そして、日本からまた彼の住む場所に
戻る日が来た。

久しぶりに会おうと連絡したら、
彼は夜なら会えると言われたので、
夜の11時くらいに私の宿泊先に来た。

3ヶ月も会わないと、
髪が長くなってて、
でもそれ以外は何も変わっていなかった。

私は決めていたことがある。
彼に私たちの関係性を聞くことだ。

ずっと悩んでいきたけど、
聞けるほどの勇気はなかった。

だけど、私が日本に帰ってみて、
やっぱり聞かないと何も始まらないような気がした。

彼との曖昧な関係で泣かされることは
少なくなかったから、
彼に会えることを期待して、
彼が私のことをどう思っているのか、
いつも探る日々だった。

そんな日々に飽き飽きしていたから、
ベットで二人、添い寝しているときに話をした。
私のことどう思っているの?
そんな質問を映画やドラマ以外で
ほんとにすることがあるなんて
思ってもいなかったから自分でも
少し恥ずかしかった。

だから、その話題を問いかけるまで
きっと1時間ぐらいは勇気が出なかっと思う。

そのくらい私にとっては聞くことが
怖い質問だった。

彼に、私のことどう思ってるの?と聞くと
可愛い赤ちゃんみたい、そう言われて。
私が聞きたいことじゃない!と言い返した。笑

だから質問を変えて、私たちって
友達なの?そう聞いた。

そして、友達以上にはなれないの?

こんなに心臓が飛び出そうになったことはなかった。

彼に聞いているとき
なぜだか自分でもコントロールできなくて
気づいたときには涙が溢れてた。

そのとき、ずっと私は不安の中にいたんだなって
思った。
自分のことを全然大切にできてなかったし。

好きな人に気を遣うことは
私の人生の幸せから遠のくことだったんだって。

そんなふうに思った。

彼は少し黙ってこう答えた。

僕が今忙しくて、気持ちはもちろんあるけど、
時間がないから君を悲しませることになるって。

私は、彼に愛情表現してくれないから
あなたがどう思ってるのかわからない。

そんな本音を彼にぶつけたのは初めてだった。

半年間この関係が続いてるけれど、
初めて、彼に好きだよ。
抱きしめられながら言われた。

彼の心臓は少し早くなったのを思い出す。

彼は照れくさいからこういうの伝えるの
全然得意じゃないってさ。

1週間、待ってほしい。

そう言われた。

私の想像では、彼は私のことが好きだけど、
日本に帰って遠距離だから、付き合えないのかと思ってた。

だけど、彼自身、全然恋愛に自信がなくて、
責任を取れる自信もないんだなって。

でも、私は強くなることに決めた。

だから、彼の答えを待ってる。

彼が付き合えない。そう言ったら、
キッパリお別れしようと思う。

もし、付き合うって言ったら、
全力で前を向うと思う。

どちらにせよ、私は言えたことにホッとした。
心の何でずっと縛られてたものが
ふとなくなって。
少し気持ちが軽くなった。

彼の愛情を求めること以上に
自分のことを大切にしようと決めた。

そんな日が始まった。


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