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77/* 諦める理由はそれでいいのか

今日も最高の一日だった。Lemon Twigsという、激烈なバンドのライブにいってきた。末恐ろしい才能を間近で観てしまったな、という印象。今やどれだけの知名度があるのかはわからないけれど、音楽が好きだ人たちの中には、Lemon Twigsに惚れる人は多いんじゃないかな、と思う。

ライブの感想を書き連ねたって仕方ないから、帰り道にふと思ったことを書いておく。

僕の学生時代は、何かとお金がないなーという日々だった。もちろんバイトもそれなりにしていたけれど、学生自分の有り余る体力は、あらゆる方角に向かって走り出して、到底学生のバイト代程度で補填しきれるようなものではなかった。旅にでて一ヶ月バイトしない、なんてのは当たり前だったし、月々の給料の少なくとも三分の一は必ず読書欲を満たすために使っていて、余った金はひたすら飲み代に消えていっていたから仕方ないっちゃ仕方ない。

でも、やっぱりお金がついてこなくて諦めたことも実は沢山あったりもした。たった千円程度の参観費をケチって、大好きな作家の特別展を諦めたこともあったような僕にとっては、一万を超える外タレのライブはあまりに高級で、当時の僕の「見たい」「行きたい」を諦めるには十分すぎる理由だったような気がする。

そして今社会人になった。お金の使い道はというと、あまり変わっていない気がする。お酒も飲むし、本も読むし、旅にも時々出る。ただ、稼ぐ額の絶対数はかわって、自分で住む家を借りるようになったことでお金の使い方を少し考えるようになった。どんなことにお金を使っている瞬間を、僕は幸せだと感じていて、どんなことをモチベーションに働いているのか。

ライブにいくこと、旅行にいくこと、本をよむこと、映画をみること、美味しいご飯を食べること、ものつくりに費やすこと、誰かを喜ばせること。今でも僕の稼ぎじゃ到底補填しきれないほど、やりたいことがある。けれど明確に、こんなことにお金を使っていこう、という思いはあって、それ以外のところで我慢するのが苦ではなくなってきた。

5W1Hという言葉があるが、まさに、Who、When、Where、What、Why、How、がお金の使い道を考えるうえでも大切だなーと思うようになってきたのだ。だからこそ今日みたいに、好きなアーティストのライブのチケットを迷わず買って、お金と時間を費やせるようになったことを、自分としてはなんとなく感慨深く思ったりもした。

お金がないと諦めていた当時も、諦める理由はそれでいいのか、と常に自問自答していた。でも、どうにもならないことだってある。極力、自分の意思や決断や志向を、余計な理由で諦めたくはない。お金が全てではないけれど、お金が足かせになることほど、悔しいことはないな、と思う。


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