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"良い古着屋を作りたい!"

初めましての人は初めまして。
前回は、かなり古着屋の実態や葛藤、ジレンマについて赤裸々にお話しできたのかと思います。このようなお話は、私自身、どんな古着屋にしたいのかを再構築するための良いアウトプットになりました。

さて、今回は前回に続き、古着で起業したいという方に向けて、そして何より自分自身に向けて、良い古着屋とは何なのかを考えていきたいと思います。

目次はこんな感じです。
いつも難しい話ばかりしてしまい、申し訳ございませんが、お付き合いくだされば幸いです。


良い古着屋とは

このお仕事をさせて頂くと、よくこのようなことをおっしゃる人に出会します。
それは「古着屋をするなら、やっぱり良い古着屋にしたい。」と。

もちろん、志は大変素晴らしいことだと思います。本人にとっては、一切妥協のない仕事をしたいという意志の表れとして、同業者として応援したいと心から思っております。

しかし、良い古着屋とは、一体なんなのでしょう。そもそも良いとは何のでしょうか。安ければ安いほど良いのが良い古着屋なのでしょうか。それとも、値段も服もカッコ良い古着屋が良いのでしょうか。もしくは、ビンテージしかない古着屋が良いのでしょうか。

ここには正解が絶対にありません。

しかし、ただ一つ言えることは、あなたが何となく良いと思い込んで、それを疑うこともなく、あたかもみんなも何となく好きだと誤解して販売するような古着屋は確実に失敗するのではないでしょうか。

古着屋を経営するということは、自慰をするということではない

よく誤解しているのが、「あなたが良いと思うもの」=「みんなが良いと思うもの」だと思っている人です。

難しい言葉を使うと、マーケットインかプロダクトアウトかの話になるでしょう。
基本的に、プロダクトアウト型はかなり危険かなと思います。

つまり、古着が大好きで、いや、自分の好きな古着で飯を食いたいと思って古着屋を始める人は、痛い目を見ることを意味します。それは価格面か仕入商品のどちらかの意味で。

まぁ、例外として、都市部などでは通用する可能性は十分にあります。要は、「あなたが好きだと思うもの」に共感してくれる人が、あなたの街に何人いるか。その数は、古着屋が生活できるレベルの人数なのか、ということになります。しかし、都市部のテナント費用はかなりなので、なかなかシビアです。

理念を考える

ここで、こう思った人がいるでしょう。
「じゃあ、自分たちが良いと思う古着屋は作れないじゃないか。」と。

はい、そうです。

なので、古着屋さんを始める前に、絶対にしなければならないことを紹介します。
それは、「あなたにとって、何が一番大事か。」を選択すること。

私たちIb2は、
「壮大な服の歴史を通じて、その人の人生にまで影響を与えるような服を提供したい。」です。すなわちそれは、外見だけでなく、その人の内面にまで影響させる服の提供をしたいということ。

つまり、Ib2がこの理念を遵守するならば、「歴史、物語のない服はどんなに儲かるとしても絶対に販売しない。」ということになります。

もし、そんなものを販売し始めたら、Ib2を廃業に追い込んでやりましょう笑
下にメールアドレスを貼っておくので、この理念を破っていたら、イタズラメールしてやってください。

ib2aomori@gmail.com

そもそも古着屋の社会的意義とは

一番難しい質問ですよね。
実は、店長の服好きをきっかけに、私が古着屋を始めたので、最初は全く古着に興味がなかったんですよね。だからこそ、そこら辺の古着屋さんよりも、より批判的に俯瞰的に本質を探る利点があるんですけどね。だって、彼らにとっての好きなものを疑って、本質を探るなんて辛いことですもん。

服が興味なかった当時の私は、かなりこの問いについて考えました。だって、今まで興味がないものの社会的意義なんて考えないじゃないですか。

色々と海外買付を行なってきて、私なりの暫定的な回答をしたいと思います。おそらく、この回答はあと数年したら、また変わると思います。その上で、私にとっての古着屋の社会的意義とは、

「幸福の橋渡し、価値の再構築の役割」

だと定義付けます。あくまで、私の見解です。古着屋の社会的意義なんて人それぞれ違って当たり前なんですから。


海外買付の物語

そう思うのには理由があって、カンボジア国境に買付に行った時の話です。
私たちの取引先には、一定数いわゆる貧困者に該当される方も含まれています。その理由については割愛しますが、今日暮らすためのお金を必要としている人が、僕たち日本人にとって価値のあるものを売っているわけです。

ここで重要なのが、彼らサプライヤーにとっては、服はただの実用性のない価値のないものなのです。なぜなら、35度の中でコートを着る機会なんてないからです。少し品の悪い話をすると、彼らにとって必要なのは、日本人にとって価値ある服ではなく普遍的に価値のあるお金なのです。お金がなければ、明日の生活が保障されないからです。

だから私たち古着屋の社会的意義は、彼らの生活を広義な意味で保障し、その服を着ることで幸福になる人に橋渡しをすることです。

そして、自戒として自分のためにここに残しておきます。
「Ib2は決してビンテージのコレクターではなく、両者を幸福にさせるための仲介役にすぎない」ということです。

というのは、今年はわからないことだらけで、値段設定を間違えているのではないかと疑念を抱いたためです。仕入れた時の物語や思い出が価格に反映されていたため、皆様にとって手のとりずらい価格になっていたのではないかと反省しております。

勿論、ぼったくりのような価格ではないですが、多少なりともそのような傾向があるのではないかと思っております。今後は、徹底的なコストカットと私情の排除を目指して、たくさんの人に愛されるような古着屋にしたいと思っております。

長くなりましたが、ここで終わらせてください笑
この記事を通して、少しでもIb2のことを知っていただいたのであればとても嬉しい限りです。本当にありがとうございました。

あ、あといいねしてくれると、noteを書くモチベーションが上がるので、ご協力お願いできればなと!!!


また、古着屋さんをやってみたいという方は、こちらのDMまで。ここまでハードルを上げてもなお、古着屋さんをしたいという方限定でお待ちしております。
国外買付の代行業務を行っておりますので、お力になれたらと思います。

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