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夜景の向こう側

夜景は綺麗だ

だけど自らすすんで観に行くことはない
なんとなくそういう流れになって
友達や恋人と眺めては
思ったよりも綺麗だなあと感嘆する

それと同時に寂しくもなる

暖かい光は人間のいる証で
世界にはこれ程の、これ以上の人が暮らしていて
私もその一部であり
ひとつであり
一人ではないのだと確信することができる
その光の先にあるものは
人間だけ

この光は
どれほどの山を
自然を
犠牲にしてできたものだろう
美しい自然の代わりにそこに在る
美しい光は
心から美しいと思えるのだろうか

人間のつくった文明を目前に
人間の脅かした今はない豊かな自然を
目の当たりにする

だから無性に空を見上げたくなる
そこにあるはずの無数の美しい星を

しかし輝く夜景のもとでは
星空は見えない

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