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天国のあなたへ


今回紹介するお話

今回紹介するのは、秋田県の桜や紅葉の名所「きみまち阪」にちなんで、地元の町おこし企画として開催された『きみまち恋文全国コンテスト』第1回(平成6年(1994年))の大賞作の「恋文(ラブレター)」になります。

この恋文を作られたのは当時80歳の柳原タケさんで、その内容は戦争で亡くなったご主人への思いを綴ったものになります。

平成7年(1995年)2月14日に授賞式が行われ、受賞後ではこんな談話を残されました。
「主人は昭和十四年五月に中国山西省で戦死しました。当時の軍事郵便は検閲されました。今回そのころ自由に書けなかった思いの万分の一を書きました。 すっきりして若返った気持ちです。」

この恋文を元にしたYouTube動画がありましたので、併せて紹介していきます。

恋文

娘を背に日の丸の小旗を振ってあなたを見送ってからもう半世紀がすぎてしまいました。
たくましいあなたの腕に抱かれたのはほんのつかの間でした。
三十二歳で英霊となって天国に行ってしまったあなたは今どうしていますか。

私も宇宙船に乗ってあなたのおそばに行きたい。
あなたは三十二歳の青年、私は傘寿を迎えている年です。
おそばに行った時おまえはどこの人だなんて言わないでね。
よく来たと言ってあの頃のように寄り添って座らせてくださいね。

お逢いしたら娘夫婦のこと孫のことまたすぎし日のあれこれを話し思いきり甘えてみたい。
あなたは優しくそうかそうかとうなずきながら慰め、よくがんばったとほめてくださいね。
そしてそちらの「きみまち坂」につれていってもらいたい。

春のあでやかな桜花、
夏なまめかしい新緑、
秋ようえんなもみじ、
冬清らかな雪模様など、

四季のうつろいの中を二人手をつないで歩いてみたい。
 
私はお別れしてからずっとあなたを思いつづけ愛情を支えにして生きてまいりました。
もう一度あなたの腕に抱かれてねむりたいものです。
力いっぱい抱き締めて絶対はなさないで下さいね。

佐藤緋呂子さん

柳原タケさんのお嬢様で日本画家の佐藤緋呂子さんのホームページにはこの恋文にまつわる話(花恋)、そして授賞式の様子などが掲載されていました。ぜひ、ご覧ください。

花 恋

授賞式の様子他

YouTube

このお話を元に作られた動画がありましたので、一部を紹介します。
※ご紹介する以外にも動画はあるようです。

(2ch)泣き笑いほっこり『LAN』

【2chショート】菊太郎

笑えるコピペ連発】2chショートまとめ

ゴールデンボールズ【2ch】

/ゆっくりが語る1分で泣ける2ch


~恋文コンテストとは?~

「きみまち恋文全国コンテスト」は、平成6年から平成15年の10年間に渡って開催され、毎年全国から多くの恋文が寄せられました。その恋文コンテストの舞台となったのが、秋田県二ツ井町(現在は能代市二ツ井町)です。その由来は、こんなロマンチックなエピソードからでした。

 明治14年、東北巡幸の折り、二ツ井町を訪れた明治天皇を、皇后のお手紙が待っていました。

「大宮のうちにありてもあつき日をいかなる山か君はこゆらむ」

 夏の長旅を気遣う皇后からの「恋文」を受け取った明治天皇は、その地の美しさに深い印象を抱かれ、「徯后阪(きみまちざか)」と命名されました。それが現在の県立自然公園「きみまち阪」です。
 この優雅な命名の由来を愛する二ツ井町が、恋文復権を全国に発信しようと始めたのが恋文コンテストでした。
 10年間に寄せられた恋文は、34,227通にも及びました。

参考

東京秋工会 - 秋田県立秋田工業高校同窓会東京支部ホームページ

日本一心のこもった恋文 「天国のあなたへ」

さいごに

私のnote記事は営利を目的とはしておりません。
単純に涙した話を皆さんと一緒に共有したいと思い記事にしています。

しかしながら「著作権」などの問題がある場合は削除致しますのでお知らせください。
なお、掲載している画像は いらすとや 様、photoAC様から頂いています。

最後までゆっくりお付き合いいただきありがとうございます。


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