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阿賀野市かき氷ワークショップについてのまとめ

今回は2019年5月から6月の間に新潟県阿賀野市で行われたかき氷の活動についてを振り返ってみます。
活動の始まりは私の友人でもあり芸術家の佐藤悠氏が茨城県常陸太田市で行っている「旅家」という活動に参加させて頂く形で2018年11月にスタートしました。新潟県内でも阿賀野市で初めて実施しました。

①かき氷作りワークショップ


地元の人にお願いをして、3~4組の家族と子供達を呼んでもらいかき氷シロップを作るワークショップを行いました。
フルーツや缶詰、ジャムなど好きな材料を各自で持ってきてもらいました。

かき氷シロップ作りの内容は至ってシンプルで概ね二種類。
1 材料を煮詰めて作る
2 材料をミキサーで潰して作る
あとはシロップとレモンで味付けの調整を行います。

かき氷シロップを作ることがいかに簡単であるかを知ってもらう事が目的。
色んな材料を持ってきた中でシロップにすると、当然美味しい物や微妙なもの、お店で出せそうなものなど様々な出来があります。
それぞれを食べ比べていろんな味を楽しみながらあーだこーだという話をしたりします。

ここで調理になると大人が子供達に色々と指南を言ってくると思いますが、
事前にかき氷シロップ作りはみんな初体験であり上下のないフラットな関係であることと、自分が美味しいと思う作り方を直感を信じて作ってもらう事を大事にしてもらっています。
また、味付けのゴールも自分が美味しいか、これが大事になります。
ここでの目的は、自発性や探求心をどれだけ掘り起こす機会を作れるかになります。

若い女子がスイーツを作るとなればキャッキャウフフと盛り上がります。

自分でかき氷を削って、他の人のシロップを食べ比べる。

地元産のエディブルフラワーという食べられる花をトッピングしたインスタ映えするかき氷を作る子達。

今回、最も集中してシロップを作っていたY君。この集中度を見て、この子は向いているかもと思っていたら、お店で出せるレベルのキウイシロップを作り上げました。本人も美味しいと思ったこと、そして他者から美味しいという評価を受けたことで次もやりたいというエネルギーになったようです。
このワークショップを通して三人の子たちがイベント出店に関わることに。


②イベント販売に向けた準備

かき氷販売を行うイベントを決め、その目標に対してどんなものが必要かを話し合う。販売を実現するために必要な物や事を各々準備する。
価格表、チラシ、色々なアイデアが出てくる。
常陸太田市で既に先行事例を作っており、その子たちの活動写真を見ながらイメージを作ってもらったが、茨城の子が作ったゆるキャラを見て面白そうだと作り始める子。
またオリジナルのTシャツ作りを見て、やりたいということで積極的に準備を行う。

絵だけでなく立体化させた。
普段そういう自作活動はなかなか見せないという親御さんの声から、やる気スイッチが入ったのだろうなぁと思った。

彼の作ったキウイシロップをイベントで出すことになり、自分の商品を宣伝するためのPOPを作る。

オリジナルTシャツ作りは自分の感性に従ってもらいました。完成したらサッカー日本代表のようなイメージに。

Tシャツにもゆるキャラが。

完成!!

地元産の越後姫を使ってイチゴシロップを作ることになったので、収穫をしてもらった。食べると収穫の割合が1:1的な感じだったとかいう噂も。

かき氷のセンスあるキャッチーなメニューと価格表も完成。
スマホネイティブ世代からすれば簡単にできちゃうんでしょうかね。


③イベント販売
本番当日。各々が準備したオリジナルのTシャツや価格表、チラシ、自作のキウイや収穫したイチゴのシロップを引っ提げ販売。

仕事を見つけて自発的に動く子、自分のレシピのかき氷が売れて小躍りする子、社会とのコールアンドレスポンスによって日常では起こらない体験を得られたようです。
ちなみに仕事と言っても、私が一日店を運営しながら子供達には気が向いたら何か手伝ってという感じでガッツリ仕事をしてもらうのではなく、出来る範囲でお手伝いするというゆるい役割に。
イベントやその日一日を楽しんでもらうことが一番大事なのです。



④賞与授与

売り上げの10%を彼らの報酬として提示。
労働の対価を受け取ると人はみな笑顔に。

使い道は千差万別。
お金を稼ぐことで、お金に対する価値観の変化はあるのでしょうか?

実は子供達の販売する姿を見た地域の方から、別なイベントへの出店要請を頂きました。
出店による地域との関わりから起きる次に繋がる新しいきっかけは動いた人に起こる特権だなぁと思います。
正に計画された偶発性理論のような出来事。
これも実社会の一場面、大事な繋がりを体感してもらうのは、人の繋がりによっても社会の可能性を感じられるのはとても大事な機会だと思います。



⑤まとめ

今回この活動を通してみて、子供達の真剣な姿を見ることが出来たので私自身もやって良かったなぁと思えることや次につなげるための反省材料はたくさん見つかりました。
現代の子供達は非常に忙しく、わざわざ習い事の時間の合間を縫ってもらってかき氷販売に向けた活動をしてもらったわけです。
こちらの出来る事とすれば、つまらないという事をどれだけ避けるか。
逆にやりたいという要素になり得る事を出来るだけ用意しても、興味を持つかは運の要素になるので、そこは一生水物だなぁと思っています。

今回の活動の意義としてはお金の教育が学校教育だけでなく社会全体で弱い事と、地域で人が育つ文化の醸成を行いたいというのが主な理由です。特に地元の良い物を学ぶという昨今の郷土愛教育に、もっとより多くの人と関わる機会はあった方が良いだろうなぁなんて思っています。

そしてなんでもそうなんですけど、やってみると「意外と簡単にできる」ということを知ってもらうための入口を作りたかった事。
また公教育で出来ないことを民間や地域がどうやって醸成するかを真剣に楽しく実験してみております。

疑似的な社会経験ではなく目の前に広がる本物の社会を通して
「あ、こんなのもありなんだ」に気付いてもらいたいということ。
様々な事が実は出来るんだということを理解して、多様な生き方や自己実現に向けた経験則をほんの少しでも感じてもらえればと思い、この活動を始めています。

支援者、一緒に進めていきたい方、募集中です。


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