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社会人の宿命 その2

新社会人のみんなよ、まだ持ちこたえているだろうか。
まだ、4月3日。3日しか経っていないのに、この疲労感。
慣れないスーツのせいだろうか、お世話した覚えがないのに、
やたら「お世話になっております。」といろんな人に言っているからであろうか。そういえば、小学生の頃に生き物係をしていたから、
こんなにもこの表現を連発しているからだろうかと悩んでいるかもしれない。

その疲労感の原因の1つは、通勤電車であろう。

私は人混みが苦手である。
トーキオのウェッサイに生まれたため、東京生まれ東京育ちだが、
人混みになれない。
新宿、渋谷は、駅に降り立つのはもちろん、乗り換えさえ辟易してしまうほどだ。その人の多さに混乱して、気づくとスクランブル交差点で、
きれいなスクランブルエッグが出来上がっていたりする。
学生時代は、人混みを避け、巣鴨で遊んでいたりもした。
我ながら、渋いと思う。

そんな人混みが苦手な私だが、毎日の通勤電車は避けては通れない。
文字通り寿司詰め状態になり、車内では、パーソナルスペースなど全く存在せず、まぐろやら、いかやら、穴子、いくらなどが迫ってくる上に、
新しいヨガのポーズのような体勢で体を任せなければならない。

どうにかして、この状況を乗り切らなければならない。
思えばこんな私でも、人混みに自分から唯一向かうのがライブである。
私が好きなバンドは、ややいかついため、
タトゥーを入れた元気なお兄さん達で溢れている。
興奮状態の観客が体をぶつけ合うモッシュ。
ぼーっとしていると上から人が降ってくるダイブなども当たり前だ。
上から人が降ってくるなんて、天気予報のお姉さんもびっくりである。

嫌いな通勤電車に立ち向かうため、私は通勤電車をライブ会場に見立て、
日々乗り切る作戦を思いついた。
まず、大好きなバンドの音楽を流し、気分を高める。
電車が止まり、扉が開く瞬間は、ライブ開始と置き換え、
少しでも良いポジション獲得するため、車内になだれ込む。
車内が盛り上がってくるとハコごと揺れ、モッシュが始まる。
右に左に翻弄されながらも、何とか自分のポジションを維持する。
さすがにまだダイブは経験したことない。
そんなこんなしているうちに目的地到着。
ライブの終演とともに、一気に出口を目指す。

ライブ終了後は、何ともいえない興奮と余韻に浸るのだが、
目的地に到着した私には疲労感しか残らない。
通勤電車で獲得したこの技術は、
少しはライブでは役に立っているのかもしれない。そう思いたい。

社会人になって10年。未だに通勤電車に翻弄される毎日である。
頼むから誰かこの通勤電車の乗り切り方を教えてほしい。

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