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社会人の宿命

春、いろいろなものが始まるシーズン。
入学、入社と人々は、新しい活力に溢れ、
これまで眠っていた植物も元気よく顔を出す。
冬眠していたムーミンも眠りから覚め、
長旅から帰ってきたスナフキンを迎え、
渋谷ではハチが上野先生の帰りを待ち、
人々の涙を誘う季節だ。

4月から新社会人になる人も多いだろう。
社会人になると、特にデスワークが多い仕事に多いのだが、
必ずぶち当たる壁、それが子泣き爺(こなきじじい)だ。

朝から晩までパソコンに向かい、
長い間無表情でいつだかぶりににらめっこ。
笑ったら負けで、あっぷっぷの状態で息も詰まりそうだ。
両手でキーボードと言われるものを同じ姿勢で叩き、
ときおり魔法の力で機械になってしまったネズミ、いやマウスを長時間操る。
キーボードといっても、
決して悠長に作曲活動をしている訳ではないので、悪しからず。

なんだか肩が重い、そう思った時にはもう子泣き爺は
あなたの肩に我が物顔で座っている。

パソコン社会のこのご時世、周りを見渡してほしい。
同じフロアのあの人にもこの人にも子泣き爺が座っているではないか。

いつも帰りが遅い先輩をみてみてほしい。
その子泣き爺の大きさたるや。
まるで先輩が子泣き爺にのっかってるほどまでに大きくなっている。

ひどい人には、肩だけではなく、
腰にも子泣き爺が無理な体勢で座っていたりする。
意外にバランスがよい子泣き爺。

隣の女子達の会話に耳をすませてみれば、
「今日は右の子泣き爺が重いかな。」
「かばんの持ち方も影響するみたいで、リュックにしたら、
子泣き爺が軽くなったわよ。」
キャッキャッという会話も聞こえてくるだろう。

仕事に没頭しすぎると、子泣き爺だけではなく、
砂かけ婆(すなかけばばあ)が出現し、容赦なく砂をかけてくるため、
目が充血したりすることもある。かなり悲惨である。

社会には、これ以外にもいろいろな試練やぬり壁が待ち構えている。
決して無理はせず、子泣き爺や砂かけ婆に目をつけられる前に、
職場を後にしてほしい。

なぜなら、そこは墓場と化す可能性もあるからだ。

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