見出し画像

2020年の恋はいつも切なかった。【恋愛小説まとめ】



2020年、どんな恋をしましたか?



***



2020年は大変な年でしたね、というのもそろそろ言い飽きてきた今日この頃です。

言わずもがな新型ウイルスの流行で穏やかとは言えない1年でしたが、その副作用とも言うべきか、お家にこもって分量を綴った方も多かったのではないでしょうか。

かくいうわたしもそのひとりでした。

最近note以外でも小説を公開しようと思ってちょぼちょぼと掲載作業をしていたのですが、自分の書いた記事を遡っていて「おお、これは」と思いました。

なんと2020年、40本以上も短編を書いていたんです。びっくり仰天、わたしにしては頑張ってたね。

あまり筆が速い方ではないので、400字程度のショートショートも含めてとは言え、それだけ書いていたことを純粋に褒めてあげたくなりました。

ただ40本も書いているとてんで内容を覚えていない作品もありまして、大掃除よろしくでたびたび手を止めつつの掲載準備。ほほー、こんなん書いたっけなぁ。ていうか恋愛小説多いね?と首を傾げる。

昔はあまり恋愛をテーマにした小説は書かなかったんです。ミステリーがすきで、本格的なものは無理だから日常に潜む謎とか、ミスリードを狙ったものとか、そういうものばかり書いていました。

はて、いつの間にこんなに恋愛小説を書くようになったんだろう。

うまい答えは見つかりませんが、昨年はきっと『気持ちに向き合う1年』だったんだろうと思います。恋愛を書こうとすると、どうしても自分の気持ちにも、誰かの気持ちにも向き合わないといけませんから。

もしかすると2020年は、時間にゆとりのあるときにしかできないことができた1年とも言えるのかもしれません。

わたしの好み上「ハッピー!幸せ!!」みたいな雰囲気のものは少なくて、切なげなしっとりとした雰囲気のものばかりだったのですが、そんな年があってもいいかなぁと思いつつ、2020年に書いたものを読み返しながらいくつかまとめてみました。

温かいお飲み物と一緒にどうぞ。



***



(以下、自分で自分の作品を紹介するのがちょっぴり気恥ずかしいタイプなのでTwitterに流すときの帯風味で短くお届けします。どんな顔して書いてんのかなとかはあまり考えないでね)


1、エンドロールの赤い傘

雪の降る駅前で、赤い傘が今夜も”俺”を待っている。
失ってから気づくなんて不毛な関係でも、きっと必要なことだった。


2、愛情に輪郭を

溶け出した小指が叫ぶ、”愛して”の一言。
恋人の間に必要なものはなんだろう。言葉か、触れ合いか、まったく別のなにかか。ただ、探すことを諦めてはいけない。


3、痺れるほどに甘く

麗らかな休日の昼下がりはまるで”夢”のようで―――――。
幸せだった頃はドーナツの穴のように不確かに、静かにわたしを蝕んでいく。


4、にらめっこ

ツンとした潮の香りに、ひと夏の恋が淡く重なる。
意気地なし達の絡まない視線はきっと、少し痛くて、切なくて、綺麗なままだ。


5、溶けない人

『それでも今日は、都合のいい女にはならない』
喉元に刃物を突きつけられても引かない覚悟が、彼女を強くすると信じたい。


6、「さよなら」には三日いる

彼女に与えられた「三日間」の意味を探す。
なんでもなかった思い出たちが”悲しい”と気づくまでのこと。


7、花模様は明日に溶けて

写真の中のあなたが、今も笑っていますように。
誰よりも”俺”のことをわかってくれる彼女が下す決断はいつも正しくて、強くて、自己犠牲的過ぎたから。


8、kiss & Crush

「愛されたがり」の夜は静かに更けていく。
いつかは君が大事だったことを懐かしく思える日が来たらいい。


恋のおわりに


8つの作品をまとめてみました。お気に召すものはありましたでしょうか?

2021年もたくさん書いていこうと思います。世の中には書いてみたことが溢れていて、それを見るわたしの目が褪せない限りは。

1月も終わりに差し掛かっておりますが、今年も七屋糸をよろしくお願い致します。




作品を閲覧していただき、ありがとうございました! サポートしていただいた分は活動費、もしくはチョコレート買います。