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寒い思いをしていない/裸の付き合い

フィンランドに来て、最初に驚いたのが室内のあたたかさ。
ホテルも家も街中のお店も、どこへ行っても寒い思いをしていない。

最も寒い時期はとうに過ぎて、気温が上がってきているのは確かだが、それでもわたしが現地に着いた日から数日は吹雪く日もあって、日本人からすれば真冬の寒さ。日本にいたら、もこもこの部屋着を重ね着して、眠るときには重たい布団を頭まですっぽりかぶっていることだろう。

ホストファミリーの家の中では、パネルヒーターのようなものがところどころに設置されていて、温度調節はここでしてね、と教えてもらった。とても静かで、乾燥することもなく、トイレやキッチン、シャワールームまでも、空間全体がごく自然にあたたまっている。
どの家や施設でも、建物全体があたたまるセントラルヒーティングのシステムが取り入れられているのだそう。
わたしは長袖だけど、ファミリーは半袖のTシャツ1枚で過ごしている。

あたたかい、といえば。
数日前には人生初のサウナを経験した。

家のサウナにホストマザーと一緒に入った。
サウナが初めてのわたしに「裸になるのは大丈夫?」と聞いてくれたので、「日本には銭湯(public bath)があるから慣れています。問題ないです。」と答えると、ファミリーはなるほどなるほどと納得していた。
何かの記事で読んだことがあるが、いわゆる“裸の付き合い”があるのは世界中でもフィンランドと日本くらいなのだそう。両国ともシャイな国民性のわりに、そんな共通点もあるのはちょっとおもしろい。

湯船に浸かるとすぐにのぼせてしまう体質なので、サウナにはやや抵抗感があったが、問題なくリラックスできた。日本でお風呂に入るのとほぼ同じ感覚だった。フィンランド人にとって、サウナは社交場でもあるという。わたしとホストマザーは共に英語が初級レベル。カタコトの英語であれこれ話して、少し心の距離が近づいたような気がする。

寒い思いをしないというのは、それだけでなんだか安心だ。
フィンランドに来てから、1週間。
人も空気もあたたかくて、寒い国に来たことをうっかり忘れてしまう。

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