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~第123回 ~「稲田姫命と水害の話」

武蔵一宮氷川神社の御祭神は須佐之男命(スサノオノミコト)、稲田姫命(イナダヒメノミコト)、大己貴命(オオナムチノミコト)です。

イナダヒメはスサノオノミコトの八岐大蛇退治神話に登場し、その後スサノオノミコトの妻となります。 『日本書紀』では稲田媛(イナダヒメ)の他、奇稲田姫(クシイナダヒメ)、眞髪觸奇稲田媛(マカミフルクシイナダヒメ)とも書かれ、また『古事記』では櫛名田比売、『出雲国風土記』では久志伊奈太美等与麻奴良比売命(クシイナダミトヨマヌラヒメ)と書かれております。

御名が様々ありますが、古事記の名のクシナダはクシイナダの訳とされ、日本書紀に「奇稲田姫」と見えるのがその名の意味を表しています。

また、『日本書紀』の別の箇所には単に「稲田媛」ともあることから、櫛名田比売の神格は、稲田の祭りを行う巫女、もしくは稲田の守護神と考えられています。

そしてクシ(奇し)は、霊妙なことを意味する語とされ、『古事記』の「櫛」の字は、イナダヒメが櫛に変身したことを踏まえた借字と考えられますが、文字の通りの櫛を意味するという見方もあります。 八岐大蛇の神話については、八岐大蛇の襲来を季節的な洪水の表象と解する説もあり、ここではイナダヒメを洪水によって流出する稲田の人格化と捉えています(※國學院大學「古典文化学」の創出研究事業サイトより)。 今夏の日本は各地で大雨が降り、洪水等によって農作物に多大な被害がありました。

一日も早い復旧と、被災された皆様が平穏な日々を取り戻せるよう、心よりお祈り申し上げます。 【八岐大蛇神話 要約】 高天原を追放されて地上に降りたスサノオが、出雲国の肥の川の鳥髪から上流を行くと、足名椎・手名椎がイナダヒメを中に据えて泣いていた。

夫婦には八人の娘があったが、毎年、八俣の大蛇に食われ、今度は最後に残ったイナダヒメが犠牲になる番であった。

その事情を聞いたスサノオは、八俣の大蛇の退治を請け負い、酒を注いだ八つの瓶を準備させ、スサノオはイナダヒメを湯津爪櫛に為し、自らの髪に刺して戦いに挑んだ。

八つの瓶から酒を飲んで酔っ払った八俣の大蛇を切り裂いて、見事に退治した。

するとオロチの尾から立派な剣が出てきて、それをアマテラスに献上した。

こうしてオロチを退治したスサノオはイナダヒメと結ばれ出雲で暮らすこととなった。


〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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