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食べることは生きること


少し前まで仕事が忙しくて、お昼休みはコンビニおにぎりをかじるような生活をしていた。いろいろあって食欲もなくて、最低限倒れないために仕方なく少量食べていた。普段は食べることが大好きな私だが、食べたくないときは極端に全く何も食べたくない。スリムになれるかもしれない!なんて自分に向かって強がりをいいながら、嘔吐感をこらえながら食べたくもないものをむりやり胃に詰め込んでいた。


やっとすこし余裕ができた昼休み、久しぶりに、よく行くうどん屋さんに行った。いつもは元気にもつ煮込みうどんに卵かけご飯、場合によってはさらに天ぷらのひとつもつけるところだ。急にそんなに食べたらさすがに胃が壊れそうなので、けんちんうどんだけにした。

このうどん屋さんではこだわりの香川直送つるつるシコシコ生麺を使っている。メニューのバリエーションがたくさんあるのにハズレがなくて何を食べても美味しい。おじさんとおじいちゃんのふたりでやっている。たぶん父と息子なのだと思う。いつもニコニコ明るいおじいちゃんがホールで食券を預り、無骨なおじさんがうどんをゆでて作ってカウンターから渡してくれる。おじいちゃんはたまに常連さんと話し込んでいたりするけれど、おじさんは無口で、いつも「肉汁うどんお待ちどおさま!」とか「ありがとうございます!」くらいの決まり文句しか言わない。

「けんちんうどんお待ちどおさま!」
私のうどんが出来上がって、おじさんに呼ばれた。
いつもは何も言わないおじさんが、熱々のうどんをトレイに載せながら、突然
「おっ、いつもどうも!」とボソッと言った。いつもの大食いがうどん一杯しか頼まなかったので、もしかしたら、何かを察してくれたのかもしれない。



なんだかそれだけで、胸がいっぱいになった。私はひとりで生きているのではない。
毎日たくさんのひとに少しずつ少しずつ支えられて、なんとか生きていけるのだ。


うどんをゆっくり、ゆっくりすすった。あぁ私はこうやって、また生きていくのだと思った。



さて、そんなこんなで仕事も落ち着いて心にゆとりのできた私の本日の夕食がこちらです。

日高屋にて。キムチ奴、餃子(三個)、カタヤキソバwithレモンサワー

すっかり元気になりました!
ごはんが美味しいって、幸せなことだなぁ。