高級娼婦と普通の青年貴族の恋愛物語。
　青年アルマンは、高級娼婦マルグリットと恋に落ちる。しかし両者とも、愛し過ぎるゆえにたびたび異常とも言える行動をとってしまう（特にアルマンの方）。愛とは異常行動だということがよく分かる一冊。

　若い頃の自分が蘇る。
・中学生の頃、好きな子の家の前を用もないのに自転車で行ったり来たりしたこと（これ嫌われるよ）。
・高校で初めて付き合った子に毎晩電話して、自分がいかに相手を愛しているかを証明するようなエピソードを延々と語ったりしたこと（これもめっちゃ嫌われるよ）。
・交際相手が他の男と仲良さそうに喋っているのを見て、その男に蹴りを食らわせたりしたこと（犯罪だぞ）。
・フラれた相手に何度も手紙を送ってしまったこと（これも通報案件）。

　今思うと恥ずかしいことばかりだけど、それを当たり前に、いやむしろ正しいことだと思って行動してしまうのが、愛！！　でもそういう恥ずかしいことを経験して、みんな大人になっていくんだよね（正当化）。

　一度でも死に物狂いで人を好きになったことがある人なら、この物語は大いに楽しめると思う。