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治療家のための”伝わる”英語勉強法 第1回 海外に住むだけでは英語は話せない!

写真・文:斎藤大介(JAPANESE SPORTS MASSAGE)


「海外に住めば英語が喋れるようになるよ!」

誰かから聞いたそんな言葉を信じ、私がオーストラリアに渡ったのは2014年の春でした。以前から海外志望は強かったものの、当時していた英語の勉強と言えば英文の「聞き流し」くらいでした。

海外に行って日頃から英語を使える環境にいれば喋れるようになると思っていた私にとって、オーストラリアに来て一番の驚きは海外に長く住んでいても英語が全く喋れない日本人がとても多いことでした。

そしてほとんどすべての方が口をそろえて言うのは、

「海外に住むだけじゃ英語は喋れるようにはならない」

「………!!」(私)

全く真逆の事を言われ、いきなり私が思い描いていた希望が打ち砕かれたのは渡豪してすぐの頃でした。


英語と無縁の環境からのスタート

実際に1カ月、2カ月、3カ月と時間が過ぎていく中で、多少英語に慣れはするものの、自分が伝えたいことの1割程度しか伝えられない、相手が何と言っているかさっぱりわからない日々が続き、相槌をうつことや、わかったふりをするのだけは上達していきました(笑)。

これではいけないと思い、本格的に勉強を始めたのが渡豪して4カ月を過ぎた頃です。私がまず初めに着手したのは、英語を流暢に使いこなしている日本人に対して、どんな勉強をしたかを聞いてまわることでした。

ただし、なるべく私に近い状況の人の勉強方法が聞きたかったので、

①学生時代から英語環境にいた人

②どちらかの親がネイティブスピーカーのハーフ

これらの日本人の意見は聞いていません。

そして、その方たちが言っていたことや、英語の勉強法について書いてある本を読み漁って、いろんな勉強法を試行錯誤しながら、効率的な勉強理論を考えました。どの英語のレベルでも語彙力と文法は大切になってくるので、日本の高校までにするような英語の勉強法は間違ってはいないと思いますが、全く実践的ではありません。

現在、渡豪して約2年になります。スポーツマッサージ治療院を開業し、患者さんとは英語で会話をしますが、ほとんどの会話の内容は理解できるようになり、自分が伝えたいことも伝えられるようになりました。

私の英語はまだまだ流暢にはほど遠いですが、それでも理解できるのは、相手に表現を変えてもらう言い方だったり、理解があいまいなときは私がわかる言葉を使って意味を再確認するといったことなどをしているからです。完璧な英語を使いこなす必要は全くなく、要所をおさえて計画的に勉強すれば、『なんちゃって英語』でも充分に通用します。

そのための私なりの考えを次回以降、述べさせていただきたいと思いますが、完璧な英語を習得するためのものではなく、治療家の方のための私が考える効率的な英語上達ステップです。グローバル化がどんどん進んでいる中で、英語の習得は大きなアドバンテージですし、活躍の場が日本以外にも広がるチャンスです。

今後も日本で働く予定の方でもホームページに英語版を追加されたり、外国人の方にも対応できることを宣伝できるのは集客をする上で他の治療院との大きな差別化になります。

私は高校を卒業して以来、約10年英語とは無縁の環境から英語の勉強を始めました。10年英語から離れたら、ほとんど何も覚えていない状態からのスタートです。海外に住んでみてわかったことは、海外に行かなくても英語は十分勉強できるということです。逆に英語力の土台がない状態で海外に行くと、最初の数カ月を無駄にしてしまいます。

計画的に効率の良い勉強を継続して『伝わる』英語を習得しましょう!!

今回の便利表現

『今日の調子はいかがですか?』 = 『How are you Today?』

患者さんとの挨拶の際、「Hi」や「Hello」に続けて「How are you?」という表現がとても有名ですが、実際にネイティブで使う方も多く、無難な表現なのでこちらが使う分にはとても便利な表現です。ただ、ネイティブスピーカーは同じような意味で非常に多くの表現をするので、他の表現を覚えておく必要があります。

・How’s it going (with you) ?

・How are you doing?

・What’s going on?

・How’s everything going?

・How’s everything?

・What are you up to?

・What’s up?

私がよく聞く表現だけでもこれだけあります。

中にはとてもカジュアルな表現もあるので患者さんに対して使うのはHow are you?が無難ですが、上記の表現を知らないと挨拶からいきなり躓いてしまうので、まずこれらはおさえておきましょう。

私が海外に来てすぐの頃はHow’s it going?(調子どう?)と聞かれているのに、I’m going to go to~(私は~に行きます)など、全く噛み合っていない会話をしていました(笑)。

次回はHow are you?に対しての色んな返答のパターンを紹介します。


※この記事は2016年4月27日にシアナサイトに掲載されたものを転載しています


著者プロフィール

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斎藤大介(さいとう・だいすけ)

1985年、群馬県生まれ。高校卒業後、柔道整復師、鍼灸師、あん摩指圧マッサージ師の資格を取得。2010年、ファイテン株式会社に入社し、企業のトレーナーとしてプロ野球選手、プロゴルファー、ビーチバレー、大学駅伝などの選手を担当。2014年に独立し渡豪。ゴルフの名門AnKゴルフアカデミーの専属トレーナーとして活動しながら、2015年8月にJAPANESE SPORTS MASSAGEをオーストラリア・ゴールドコーストに開業。プロゴルファーを中心に、水泳オリンピック選手、野球・ソフトボールオーストラリア代表などのアスリートや一般の方まで幅広く施術している。


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