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転んで知った「軸足」のはなし・・・・・・体のバランス、人生のバランスについて考えた

ランニングが趣味の私ではありますが、かねて「自転車が欲しいなあ」と思っていました。

ただ、ランナーとサイクリストって結構相性悪くないですか? 私だけかな。例えば、車の入れない土手上の道なんかでは、ランナーにとっては疾走する自転車って恐怖の対象でしかない。おそらくサイクリストも「ランナー邪魔!」とか思ってるんじゃないか、というのは私の勝手な思い込みか。トライアスロンという競技もありますものね。

まあ、それはともかく、昨年末から比較的時間ができたのを機に、自転車を購入しました。当初はクロスバイクを考えていたのですが、なにしろ◯十年ぶりに自転車に乗るし、保管は野ざらしだし、予算の関係もあって、「見た目スポーティ」な自転車を買ったのでした。

しかしやはり、久しぶりに乗るのは怖いものですね。自転車で転倒して大怪我された政治家の方のことも頭に浮かんだりして、「ヘルメット買わなくちゃ!」と慌ててネットショップでポチったり。。。

だんだんと慣れてきて、朝ランとチョイ乗り自転車生活のペースができてきた先日。

ついにやっちまいました。自転車で転倒。。。

近所に買い物に出かけてすぐ。広い歩道の中央に点々と立っている低いポール、ありますよね。車が入れないようにするためなのかな。向こうから歩いてくる、ノーマスクで独り言をしゃべっている若い人の異様さに気がとられたんですね。並んでいるポールの一つにちょっと接触したんです。

「あっ!」と思った瞬間には道に倒れていて。バックパックのサイドポケットの中のものが道に散らばって。「痛ーーー」としばらく道に座り込んで。自転車は横倒し。今思えば、車道でなくてホントによかった。そして、頭を打たなくてよかった。

でも人間て不思議なもんで、ああいうときバツが悪いのか、早く立ちあがろうとするんですね。散らばった荷物をかき集めて、自転車を起こして、どこか大きなケガをしてないか、傷を確かめて、手足を動かしてみて、走り出したんです。

幸か不幸か、大きな怪我はしてなかったようで、家に引き返すことはなく、用を足して、ドラッグストアでデカイ絆創膏と湿布を買って帰ってきたのでした。

で、着替えたに、裸になって改めてカラダを見ると、、、左肩に大きな擦過傷と打撲、左腰からお尻にかけても擦過傷と打撲、左のあばらも痛い。

ただ、腕も足も腰もちゃんと動くので、まあ大丈夫だろうと。たけど、あばらが心配でした。もしかして、ヒビ? 骨折?

ドラッグストアで買った大きな絆創膏と湿布薬を貼って、じっとしてました。じっとしてると痛みはないけど、姿勢を変えたりする動き出しの時に痛みがある。

翌日、朝起きたらだいぶ楽になりました。

で、少し落ち着いて考えてみたら、私、転ぶ時(めったにないけれども)は、必ず「左側から」落ちるのですね。記憶のある限りでは、友人と飲んだ帰りにつまずいて転んで、膝をぱっくり切った時。3年ほど前に、ランニング中に転んだ時。そして今回は自転車だったけれども、いずれもやっぱり「左下」で転んでいる。なんでだろう?

翌々日、痛みはだいぶ消えたのですが、あばら骨が心配だったので念のため病院に行きました。

お医者さんの診察でも、肩と腰(おしり)は問題なし(打撲)。肋骨はレントゲン撮りましょう、ということになりました。

結果、骨折もしておらずヒビも入ってなくて、まあ、養生してください、ということになったのですが、ホッとしたのか、そのときお医者さんに訊いてみたのです。

「私、転ぶ時、いつも左が下なんですけど、これは何なんでしょう? カラダのバランスとかでしょうか?」

するとお医者さんは「利き腕はどっちですか?」と尋ねました。

「右です」と答えると、「右利きの人は、たいてい左足で体を支えているので、左足で踏ん張ろうとします。踏ん張りきれなくなると、結果的に左に倒れるのです」というお話でした。

これが「軸足」です。

この時は、患者さんがたくさんいたので、それ以上の話は聞けなかったのですが、長年の疑問が氷解しました。

こういうことのようです。

たとえば、サッカーボールを蹴る時、右足で蹴る人は右足が「利き足」で左足が「軸足」。右利きの人はたいてい左足を軸足にして右足でボールを蹴りますよね。野球でも、右投げの人は踏み出した左足が軸足。そうそう、自転車に乗っていて信号で止まったとき、足をつきますね。あれも軸足で、たいていの人は左足をついています。

それにしても、今回の転倒は大きな教訓になりました。

人生後半にさしかかってきまして、なにも老け込んで臆病になることはないんだけども「まだまだやれる」という思い込みというか、うぬぼれはホントにキケンですね。

人生100年時代というのは、当たり前だけども、 80、90になっても20代、30代と同じようにできる状態でいる、ということではないですものね。ただ、ついつい「まだまだやれる、できる」と思ってしまうし、思いたがる。これはアブナイ。自動車の運転もそうですよね。

というような話を、人生のちょいと先輩と話していたら「私も昔、先輩に『いい加減が大事だよ』と言われました」とのこと。いい加減というのは適当ということではなく「ほどほど」ということでしょうか。

なるほどそうだよなあ、と思いました。歳を重ねる一方で、なんか焦ってる自分がいたのかもしれません。

転倒をきっかけに、体のバランスと人生のバランスについて教えられた出来事でした。

みなさんも、くれぐれもご安全に。

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