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移住のあれこれVol.5「移住と気候」

 段々と冬の訪れが近づいてきましたね。
書き手の住む糸魚川市には、黒姫山という山があります。
黒姫山は糸魚川の町から近いところにあるのですが、その山に3回雪が降ると町に雪が下りてくるといいます。これさえ知っていれば雪の訪れを予測でき、冬の支度を済ませることができます。

黒姫山

 こういった自然に近い場所で暮らす人たちの知恵であったり育まれてきた文化というものは、暦だけで季節を感じる事が多い都市圏から移住してきた身としては素晴らしく感じます。

さて、住んで生活していくなら土地の気候も大事になってきますよね。

・寒い場所が苦手だから南国に住みたい!
・雪が降らない場所に住みたい。
・晴れてる日が多いとこがいい。
なんて、気候に関する理由で移住を考えている方もいると思います。

土地の気候は、間違いなく移住後の住みやすさの一因になってきますので、移住先を決める参考になるよう特徴を書いていこうと思います。


日本の気候

日本には大きく6つの気候があります。北海道、日本海側、太平洋側、内陸性、瀬戸内、南西諸島で区分されています。大体の特徴と属する都道府県を下記に説明していきます。

1.北海道の気候
 
北海道は冷帯に属する為、気温と湿度が低く「梅雨」がありません。
台風の影響も少なく、夏場は涼しくて快適にすごせます。梅雨と台風の影響が少ないので、全体的な降水量は多くありません。ただ、冬場は厳しく氷点下を下回る時期が多いです。
 北海道は広いですし日本海側は雪が多く、太平洋側は雪が少ないといったように地域や地形によって環境が変わってきます。魅力溢れる土地ですが、移住に関しては冬を知ることが一番大事な土地だと思います。

2.日本海側の気候
 
日本海側の暖流の対馬海流が運ぶ大量の水蒸気を冬の季節風が運んでくるため「冬」に大量の雨や雪が降ります。冬とは逆に夏は太平洋から乾いた風が山脈を越えてくるため、夏に晴天が続きます 。
 日本海はどんよりして荒れているイメージを持っていましたが、それは冬場だけです。夏場は晴れている日が多く、凪いでいる日が多いです。

3.太平洋側の気候
 
冬は日本海側からの冷たい季節風が吹き晴天が多くなり、乾燥するところもあります。夏は南東からの季節風が中央の山にぶつかり雨が降りやすく、台風や梅雨の影響で降水量がふえます。
 中央の山を挟んで日本海側と気候が対照的になるので、雪があまり降らず冬は雪かきなどの煩わしい事がほぼないです。

4.中央高地の気候
 中央高地は長野県、山梨県、岐阜県等の日本アルプス周辺の標高が高い山々に囲まれた地域です。標高が高いた め年間を通して気温は低く、山に囲まれているため降水量も少なくなり。中央高地は前述のように標高が高いため、一月の平均気温が0℃未満になります。気温が低いため一度降った雪が解けにくいようです。

5.瀬戸内の気候
 
瀬戸内の気候は、冬の日本海からの冷たい季節風は中国山地にぶつかり、夏の湿った季節風は四国山地にぶつかるので、季節風の影響が少なく降水量が少ない地域になります。なので雨が少なく温暖な気候です。

6.南西諸島の気候
沖縄を含む南西諸島や、小笠原諸島などは亜熱帯と呼ばれ、一年中気温が高く、降水量が多い気候になります。海水も暖かいため、日本では他の地域にはない「さんご礁」が発達しています。 一年中気温は暖かく過ごしやすいですが、梅雨や台風の影響を強く受けやすいです。
 以前、小笠原諸島に住んでいましたが生活環境も良く気候も抜群で、冬は朝晩肌寒く感じますが、日中は半袖で過ごせるくらい快適でした。1月1日に海開きをやるので一年中海に入れます。ただ台風が良く訪れるので窓に飛散物が当たらない様に台風養生を良くしておりました。

以上が6つの気候となります。九州はどうなの?ってなると思いますが、区分的には太平洋の気候となります。ただ北部と南部で違うため一概にいえません。梅雨時、台風の接近上陸が多くなる6~8月は降水量が多くなります。


気候から見る移住希望地ランキング

 20年にわたり全国の自治体と連携して地方移住を支援する、NPO法人ふるさと回帰支援センター(東京千代田区)が公開している「移住希望地ランキング」で上位になっている場所を気候に合わせて紹介してみます。このランキングは実際に窓口相談に訪れた人の希望地からできていて、母数も多く信頼性があります。窓口相談に赴くという事は移住地を絞った上での相談でしょうから。2021年と2022年のランキングを書いていきます。
 注意点としては東京近郊在住の方の相談が多いでしょうから、全国的ではないと思うので注意してください。

2021年          2022年
1位 静岡県  太平洋気候  1位 静岡県  太平洋気候
2位 福岡県  太平洋気候  2位 長野県  中央高地気候 
3位 山梨県  中央高地気候 3位 栃木県  太平洋気候
4位 長野県  中央高地気候 4位 山梨県  中央高地気候
5位 群馬県  太平洋気候  5位 福岡県  太平洋気候
6位 広島県  瀬戸内気候  6位 広島県  瀬戸内気候
7位 宮城県  太平洋気候  7位 宮城県  太平洋気候
8位 岐阜県  中央高地気候 8位 和歌山県 太平洋気候
9位 栃木県  太平洋気候  9位 群馬県  太平洋気候
10位 神奈川県 太平洋気候  9位 神奈川県 太平洋気候
11位 福島県  太平洋気候  11位 岐阜県  中央高地気候
12位 和歌山県 太平洋気候  12位 北海道  北海道気候
13位 山口県  太平洋気候  13位 富山県  日本海気候
14位 鹿児島県 太平洋気候  14位 熊本県  太平洋気候
15位 富山県  日本海気候  15位 山口県  太平洋気候
16位 北海道  北海道気候  16位 千葉県  太平洋気候
17位 京都府  太平洋気候  17位 鹿児島県 太平洋気候
18位 熊本県  太平洋気候  18位 茨城県  太平洋気候
19位 宮崎県  太平洋気候  18位 兵庫県  瀬戸内気候
20位 新潟県  日本海気候  20位 滋賀県  太平洋気候

 2017年からのランキングも見ることができるのですが、トレンドで推移している県もありますが20位以内は大体同じ都道府県がランキング入りしています。こうみると首都圏近郊や大きい都市の近辺が多く、やはり利便性が高い所が多いですね。コロナ時期でリモートワークが増えたことで、都市圏まで遠くなく、自然とのバランスが良いと考えている人が増えたのかもしれません。
 ランキングから見ると気候はそこまで影響してなさそうですが、雪に対してマイナスイメージを持たれている人が多いのは間違いないと思います。
書き手も移住先を探している時は、雪が降る地域を除外して探していましたが、何故か縁あって新潟県に移住する事になります。真剣に移住をかんがえていると良い場所に必ず辿り着きますから、人気だからここにしようなんて安易に考えず、自分にとってマイナスになる事がないかも調べてみてください。

あとがき
 新潟県糸魚川市に移住してきて感じた事は、確かに冬場は曇りがちですが、どんよりとして嫌になるという感じではありませんでした。海沿いだからか雲が停滞するというわけでもなく、天気予報では曇りだという天気でも晴れ間は見えますし、生活しているとそんな日でも晴れだと感じるようになってきます(笑